企業事例

小型6軸力覚センサーのデモンストレーションに小型ロボットアームを活用、自社製品の魅力をお客様へ最大限にアピール

ミネベアミツミ株式会社は22カ国にある96もの生産・研究開発拠点から、ミニチュアボールベアリングやステッピングモーター等の世界最小・最薄クラスの製品やセンサー、半導体といった多種多様な製品を製造し世界中へ販売しています。

生産ラインの中で使われることが多いロボットアームですが、ミネベアミツミ株式会社の技術開発部門 機能技術開発部では新製品である「小型6軸力覚センサー」の魅力を伝えるために、中国・上海で開催された展示会での製品デモンストレーションにて小型ロボットアームを活用しました。

今回はそのデモンストレーションの様子や経緯について、小型6軸力覚センサーの開発、デモンストレーションを行った技術開発部門 機能技術開発部 永渡氏、齋藤氏にお話を伺いました。

世界最小・最軽量でありながらデジタル出力を実現した「小型6軸力覚センサー」を開発

ミネベアミツミ株式会社は「とにかく小さいものを作ろう」という思いから、デジタル出力する力覚センサーとしては世界最小かつ最軽量の小型6軸力覚センサーを開発しました。小型6軸力覚センサーはフォース3軸、モーメント3軸の計6軸の力を検出するセンサーで、独自構造により高分解能・高耐荷重を実現しています。
またデジタル出力であるためにより、センサーで検知した触覚や重量、接触といった感覚のデータ化を容易に行うことが出来ます。「今まで人間の指先の感覚が必要だった検査工程や製造工程に小型6軸力覚センサーを活用することで、作業の自動化や省力化、効率化に役立つことが期待されます。」と永渡氏は話しました。

中国上海での展示会で小型ロボットアームを使用した製品デモンストレーションを実施

ミネベアミツミ株式会社は中国・上海での展示会(第3回 中国国際輸入博覧会)で新製品である小型6軸力覚センサーのデモンストレーションを実施しました。その一例が「小型6軸力覚センサーを小型ロボットアームのハンドに取り付け重量の異なる重りのピッキングを行い、検知した重量ごとに重りを仕分けする」というデモンストレーションです。

ミネベアミツミ株式会社が出展した過去の展示会では平らな板の上に展示するセンサーを置き、ブースに訪れた方に直接自分の指で製品を触ってもらうという形で製品をアピールすることが主流でした。しかしブース訪問者にセンサーではなく入力装置と誤解されてしまうなど、ブース訪問者への訴求力が弱いと感じていたそうです。

そこで製品の特長や実際の利用シーンをイメージしてもらうにはどうすればいいかと考え、小型ロボットアームにセンサーを取り付けたデモンストレーションを企画しました。 コロナ禍のため機能技術開発部の社員は現地(上海)を訪れることが出来ず、実際にデモンストレーションを見たお客様の反応を直接見ることは叶いませんでした。しかしながら「製品の引き合いを多数いただけました。」(永渡氏)とのことで、ブースを訪れた方に新製品「小型6軸力覚センサー」の魅力を存分に伝えることが出来たのではないかと思います。

製品の魅力を伝えるために工夫を凝らしたデモンストレーション

今回デモンストレーションの製作を担当したのは、2020年に入社した新入社員の齋藤氏です。齋藤氏はブースに訪れた方がデモンストレーションを見て「小型6軸力覚センサーで取得した数値をもとにロボットアームが動く」ということを理解できるように、アームの動く速度や加速度を細かく指定し、小型ロボットアームが重りを持ち上げる動きに緩急をつけるなどの工夫を凝らしました。

技術開発部門 機能技術開発部では、ロボットアームを使うことは普段の開発業務の中でほぼ無いとのことですが、今回のデモンストレーションのプログラムは半年ほどの製作期間で完成したそうです。小型ロボットアームをプログラミングした感想について、齋藤氏は「コーディングがシンプルに出来るところが良いですね。また小型ロボットアームの動きが分かりやすいので作っていて気持ちがいいです。」と語りました。

低価格なのに高性能、Arduinoで動かせるところが導入の決め手

小型6軸力覚センサーのデモンストレーション製作にあたり、高精度で自由度や汎用性が高く展示会で使えるサイズのロボットアームを探していたミネベアミツミ株式会社は、価格と性能のバランスを考え、最終的に15万円ほどの小型ロボットアームに決定しました。

小型ロボットアームを導入した決め手と今後の展望について、永渡氏は次のように語りました。
「導入にあたり1番の決め手となったのは、C言語やC#、Pythonなどのプログラミング言語の他に、マイコン(Arduino)でも動かせるところです。コロナ禍で開催した展示会のため、日本の担当者が現地へ向かうことが出来ませんでした。そのため、電源を入れるとデモンストレーションを開始するようプログラミングしたArduinoと小型ロボットアームを日本から中国へ送付し、現地の担当者が簡単にデモンストレーションを実施出来るようにしました。 また今後も製品デモンストレーションを行う際には小型ロボットアームを使って、自社製品の魅力をアピールしていきたいと考えています。」

企業プロフィール

企業名    ミネベアミツミ株式会社
事業内容   ベアリングなどの機械加工品事業
       電子デバイス・半導体・小型モーターなどの電子機器事業
       自動車部品・産業機械・住宅機器事業
連結従業員数 88,142名 (2021年12月末現在)
企業サイト  https://www.minebeamitsumi.com/

関連記事

お役立ち資料


【サンプル公開中】DOBOT Magician Arduinoプログラミングガイド

     cover_dobotarduino.png 誰でも簡単に扱えるマイコンボード「Arduino」を用いてロボットアーム制御を学びたい方へおすすめの教材「DOBOT Magician Arduinoプログラミングガイド」の教材サンプルをご紹介します。
詳しくはこちら

自動化、省力化を実現!小型ロボットアーム導入相談会

     dobotconsult.jpg 業務の効率化や生産ラインの省力化を求められている企業の皆さま、高精度で多機能な小型ロボットアーム(Dobot)の操作をご覧になりませんか。
どんなことができるのか、何に使えるのか、実際に操作しながら相談会を実施いたします。予約制の個別相談会ですので、じっくりご相談いただけます。
詳しくはこちら
タイトルとURLをコピーしました