はじめてのロボコンにチャレンジ!

クラブ・部活動、課外活動やスクールなどでロボットプログラミングを指導している皆さんには、「日頃がんばっている子どもたちに成果発表の場を作りたい」、「学びを活かしてロボコンにチャレンジさせたい」という思いがあるのではないでしょうか。今回の記事では、ロボットコンテストの概要や魅力についてお伝えすることで、初参加にあたってコーチの誰もが感じる疑問や不安を解消します。

ロボットコンテストと聞いて思い描くのは?

ロボットコンテストとは、ロボットを使って与えられた条件の中で課題をクリアし、その成果を競う大会のことで、ロボコン、ロボットコンテスト、ロボット競技会などと呼ばれることもあります。日本では毎年、規模の大小に関わらず数多くのロボットコンテストが開催されていて、タイムや正確さを競う競技形式、アイディアや創意工夫を披露する形式など内容もテーマも様々です。広く知られているロボコンと言えば、テレビ番組として放映される「高専ロボコン」や「ABUロボコン」がありますし、農業分野での実用を見据えた「トマトロボット競技会」、マイクロマウスや二足歩行ロボットといった技術の粋を追求するコンテストもあります。

ロボコンの盛り上がり

パソコンやタブレット等のICT機器が一般家庭にも普及し、ロボットキットを手軽に入手できるようになったことで、ロボットコンテストの参加者数は増加を続けています。例えば、世界70以上の国・地域から60,000人以上の子どもたち(小学生~大学生)が参加する国際的なロボットコンテスト「WRO(World Robot Olympiad)」は、約10年前(2008年:参加国24、参加10,000チーム以上)と比較して、参加国・地域が3倍以上、参加者は5倍以上に広がっています。(※ NPO法人 WRO Japanニュースリリースより)WROにはWRO Japanという国内大会があり全国各地で開催される予選会は40を超えています。

また、民間企業が主催する例として、アフレルスプリングカップも毎年参加チーム数が増えており、2019年3月の第6回大会では220を超えるチームの参加があり、2020年3月の第7回大会は300チームの参加が予想されています。

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参加の目的

ロボコンに参加している皆さんは何をねらいとしているのか、ここで考えてみましょう。

  • ロボット製作、プログラミングの知識や技術を学ぶこと
  • 継続した活動の中で課題解決に取り組むこと
  • チームワークやコミュニケーション力を養うこと

何らかの競技や発表の場であることから、参加にあたっては競技に必要となるロボット製作やプログラミングについて学ぶことになります。また、事前に公表されている条件やルール(規約と呼ばれる場合もあります)をクリアできるよう取り組むため、継続して活動していくでしょう。さらに、チーム単位で参加するコンテストでは、メンバーと意見を交わしながら一つの目標に向かって進むチームワークが必要で、コミュニケーション力の向上も期待できます。

市販のロボットキットで参加できる大会

多種多様なロボコンがある中で、部品加工のような専門機材や環境を必要とせず、市販のロボットキットで参加できるコンテストをいくつか紹介しましょう。

目指すは世界!WRO(World Robot Olympiad)

子どもたちが製作したロボットをプログラムで制御する技術を競う、自律型ロボットの国際コンテストです。日本の各地で行われる地区予選会を経てWRO Japan 決勝大会に進み、日本代表として選出されるとWRO国際大会に参加できます。2019年11月のWROハンガリー国際大会には世界70以上の国・地域から60,000名を超える参加があり、大きな盛り上がりを見せました。小中高校生は、教育版レゴ® マインドストーム®という市販のロボットキットを使用します。

年長さんから参加できるWeDo Challenge

WROは小学生以上を参加対象としていますが、より低年齢層の子どもたちがロボコンを楽しむことのできるWeDo Challengeという大会があります。カラフルなブロックと分かりやすいアイコンプログラミングで幼い子どもたちにも扱いやすいレゴ® WeDo 2.0というキットを使って、ストーリー性のある競技に挑戦します。

初めてのロボコンに!アフレルスプリングカップ

まずはロボコンに参加してみたいという皆さんにお薦めしたい、初心者の参加促進に力を入れているコンテストです。小中高校生の部門は、WROと同様、教育版レゴ® マインドストーム® EV3を指定キットとし、参加を検討している方向けの相談会や講習会も実施されます。

アグリロボットの実用化がねらい「トマトロボット競技会」

九州工業大学の社会ロボット具現化センターが中心となって実施されている農業ロボットをテーマとするコンテストです。トマトの収穫を課題とし、中高生を対象としたジュニア部門はレゴ® マインドストーム®で参加できます。

四国移動型&自律型ロボットトーナメント(SMART)

徳島大学が中心となって毎年行われているロボットコンテストで、中学生を対象とするU-15部門、高校生を対象とするU-18部門、大学生以上を対象とする一般部門が開催されています。

初心者もチャレンジできるロボコン「アフレルスプリングカップ」

数多くのロボコンが開催されている中で、初心者の方にもチャレンジしやすい大会である「アフレルスプリングカップ」をご紹介します。(アフレルスプリングカップ2020、参加規約、競技規約を元にした情報です。参加申込みの前には必ず参加規約をご確認ください。)アフレルスプリングカップは2014年に第1回が開催され、2020年3月には東京大会と大阪大会が開催されます。参加チームは年々増加し、2019年の参加チーム総数は220を超える規模となりました。

いつ、どこで、開催されるの?
大阪大会
日程:2020年3月27日(金)
会場:大阪工業大学 梅田キャンパス

東京大会
日程:2020年3月30日(月)
会場:大田区産業プラザPiO

誰が参加できるの?(部門)

  • 小学生部門
  • 中学生部門
  • 高校生部門
  • ARC部門:2019年に17歳以上の、学校や教育機関に在籍する学生(大学、短期大学、専門学校、高等専門学校など

チームとは?

選手2~3名とコーチ1名(20歳以上)で、1チームを構成します。コーチは参加申込み手続きや当日の引率、大会までの活動サポートが主な役割で、コンテスト当日は選手のみで競技に臨みます。

指定機材?

小中高校生部門は教育版レゴ® マインドストーム® EV3、ARC部門はEV3に加えて、Pitsco TETRIX(テトリックス)、National Instruments myRIO(マイリオ)も使用可能です。

初参加なら「ミドル部門」

ロボットコンテストに参加してみたい、子どもたちに発表の場を作りたいとお考えのコーチの方は、まずミドル部門をお薦めします。初参加にあたって、何をどのように準備し、子どもたちと活動していけば良いか相談したいという方には、「はじめてのロボコン個別相談会」や「はじめてのロボコン講習会」も活用いただけます。(日程や定員が決まっていますので、ご希望の方は早めにお申込みください。)

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レベルアップを目指すなら「エキスパート部門」

既に他のロボットコンテストや過去のミドル部門に参加したことのある方には、エキスパート部門へのチャレンジが良いかもしれません。参加経験を活かし、より複雑な制御の知識や技術を身に付ける機会、またコンテスト出場経験を積む場として活用できます。

保護者の方にお伝えしたい、ロボコン参加の大きなメリット

ロボコン参加チームのコーチを担う方は、学校の先生方や課外活動の指導者の方が多いでしょう。子どもたちの活動をサポートする立場の皆さんは、コンテストの申込みにあたって保護者の方に活動の意義をお話する機会があるのではないでしょうか。参加を通して子どもたちがどんな機会を得られるか、説明のポイントを紹介します。

  • 主役は子どもたち
    ロボットコンテストにチャレンジするのは子どもたちです。コーチは子どもたちの活動をサポートする役割です。
  • 日頃の学びの成果を披露する機会
    学校や課外活動、教室で日頃学んでいるロボット製作やプログラミングの知識を総動員し、大会参加のロボットを作り上げ、多くのチャレンジャーも注目する場で披露します。
  • 目標に向かって集中して取り組む力が付く
    大会参加を目標とすることで、期日が設定されます。活動期間が明確になり、日常の授業にもメリハリがつきます。
  • 自分の考えを説明できるようになる
    チームを単位とした活動では、メンバー同士での話し合いが必須です。なんとなく思っているではなく、相手にしっかり伝わるように言葉を尽くして説明する訓練ができます。
  • 他者を知ることによる学びの深まり
    チームの中で自分とメンバーの違いを感じることもあるでしょう。また、大会当日には他のチームと出会い、他のロボットを目にすることで、同じ課題に対する解決方法は多様であることを経験できます。

さぁ、申し込もう!その前に確認しておきたい必須項目

アフレルスプリングカップは所定のWEBサイトにて参加を申し込みます。申込みフォームに入力する前に、参加規約を読み、次の項目を手元に控えておきましょう。コーチ1名で、5チームまで同時に申込み可能です。

  • コーチの姓名(ご自身、またはコーチとして登録される方)
  • コーチの生年月日
  • コーチの連絡先(メールアドレス、郵便番号、住所、電話番号)
  • 選手の姓名(漢字、よみがな)を全員分
  • 選手の生年月日を全員分
  • チーム名、よみがな
  • 東京大会/大阪大会のどちらに申し込むか
  • 参加部門

押さえておきたい、ロボコン用語

コーチのあなたが競技規約(ルール)を読んでいて分からない言葉が出てきたら、それはロボコン用語かもしれません。ルールに登場する言葉を簡単に解説します。

  • フィールド:競技の際、ロボットが走行するコースを指す。
  • エリア、ゾーン:フィールド上に指定される一定の区画で、色や枠などで示される場合が多い。
  • オブジェクト:ロボットがつかむ、運ぶといった競技の対象となる物体。レゴ®ブロックで組み立てられるモノや小さなボール等が多い。
  • フィニッシュ:ロボットが指定された条件で競技を終えること、ゴールと表現されることもある。
  • ラウンド:1回の走行を表す。
  • スコア、ベストスコア、セカンドスコア:競技で得た得点がスコア。ラウンドが複数ある場合、最も高い得点をベストスコア、二番目に高い得点をセカンドスコアと呼ぶ。
  • 試走・調整:試験走行。競技の前にフィールド上でロボットを走行させ、プログラムやロボットの状態を調整する時間。試走の際には会場の明るさ、ラインの状態、コース継ぎ目の段差状態などを確認できる。
    ※時間の経過や試走・競技走行によって変化する可能性も考慮してください。
  • 車検:ロボットの大きさ、形、使っている部品などが規約に則っているか、大会スタッフが確認する。指定された時間までに車検でOKをもらう必要がある。サイズオーバーなど車検に合格できなかった場合、指定された時間内に修正する必要がある。

次回は、ロボットコンテスト当日に力を発揮できる活動スケジュールの例を解説します。

参考リンク