卓上ロボットアーム、検討から導入までの流れを詳しく解説

世界的に労働力人口の減少が予測される中、産業用ロボットの販売や導入は今後も増え続ける見通しです。特に製造業の現場では、ロボット導入による自動化・省力化で人手不足を解消し、人員をより最適な部門へ再配置する流れが出ています。本記事では、デスクトップに設置できるコンパクトタイプのロボットアームが注目を集める現状を受け、利用が広がる背景や導入のメリット、検討から導入までの流れを3回に渡って解説します。

ロボットアーム導入までの流れ

1回目の記事では、協働ロボットの導入が広がる背景や導入のメリットを紹介しました。今回は、実際に小型のロボットアームを導入するまでの流れを例で示します。自社の業務や課題を整理し、専門家の支援を積極的に活用しながら実現まで進めていきましょう。

  1. やりたいことを明確にする(課題を明らかにする)
    何のためにロボットアームを使いたいのかをよく考え、どのような場面(シーン)で、どういった作業をするのか、イメージを描きます。このとき、他社で類似の業務にロボットアームを導入している事例を閲覧するのも良いでしょう。
  2. 業務の洗い出し、分解、切り分け、設計
    ロボットアームにさせたい業務を詳細化します。例えば「A点からB点へワークCを移動させる」業務について考える場合、ワークCのサイズ(縦横高さ)、重量、形状、向き、素材、表面は滑らかか凹凸があるか等、数値やテキストで明記しておくべき内容が多数あります。担当社員がノウハウとしてこなしている内容も可能な限り文章化することで、ロボットに必要な機能もリストアップされます。
    切り分けた業務を元に、ロボットアームの作業を設計します。ここで意識したいのが、前後の工程につなげた形でロボットとヒトの業務を設計することです。また、周辺で必要となる設備(制御プログラムに必須となるパソコンやカメラ、既存のコンベヤーに高さを合わせるための台や照明といった物品を含む)も併せて考えましょう。
  3. 費用、効果を出してみる、スケジュールを組む
    現在その業務にかかっている費用、ロボットアームを導入することで期待できる効果を挙げ、調査~検討(比較)~導入~運用~改善までスケジュールを組んでみます。
  4. 情報収集:専門家に相談する
    地域の産業支援センター、産業振興公社や経済産業局によっては、ロボット導入に関する相談窓口が設けられていたり、セミナーが開催されていたりしますので、情報収集の機会として活用しましょう。 (メーカーのショールーム等を活用できる場合、この段階で実物を見たり触ったりすることも可能でしょう。)
  5. 候補製品を探して比較する
    機能、価格など、いくつかのポイントで製品を検索し、候補を絞り込みます。比較するには三つ程度が適当です。メーカーやSIerが公開している資料や各種媒体の情報と共に、比較してみましょう。
  6. 実物に触れる機会を作る(展示会に行く、メーカーの体験会に参加するなど)
    カタログや資料から得た情報について、実物を見て確認する機会を作りましょう。頭の中に描いていたイメージと比べて、大きさや操作感に違いがあるかもしれません。多数の製品を一度に見られる場として展示会を利用する場合、事前に知りたい・調べたい内容を列挙しておくと効率よく確認できます。
  7. 導入検討:メーカーや代理店に相談する
    候補製品を最もよく知っているメーカーや代理店に、具体的な導入にあたっての相談を投げかけます。デモンストレーションはもちろんですが、公開されていないような成功事例や失敗パターン、数値データなどを得ることもできるでしょう。
  8. 実物による試行
    できれば実物を入手して、ロボットアームに業務を試行させ効果を計ることをお薦めします。メーカーによっては、レンタル(無償、有償)が可能な製品もあります。
  9. 教育、導入
    運用に必要な範囲の操作や簡単なメンテナンスができるように、導入するロボットアームの知識や技術を獲得します。セミナーやトレーニングを受講することもできますし、市販テキストや製品付属の解説等で自ら学ぶこともできます。
  10. 運用、改善
    ロボットアームの運用をスタートさせたら、最初の二週間は日次、それ以降は週次で気づいたことを記録し、社員間で共有する場を作りましょう。導入効果を最大限に高めるために、設置場所を調整したり、作業の順序を入れ替えたりといった改善を繰り返すことも大切です。

まずは相談してみよう

「ロボットアーム導入までの流れ」には、相談のタイミングが2回登場します(4. 情報収集:専門家に相談する、7. 導入検討:メーカーや代理店に相談する)が、あくまで「例」として紹介している流れですから、もっと早い段階に「相談」があっても構いません。今あなたがロボットによる自動化・省力化をぼんやりとでも考えているなら、他者へ言葉で説明することによって、課題の掘り下げやニーズの洗い出しができるかもしれません。相談は無料という場合が多いので、相談できる相手とつながる機会として各地の産業支援センターやロボットメーカーの窓口へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

ロボット導入や活用に関する相談窓口

(メーカー各社のショールーム等も検索してみてください。)

特に、中小企業で製造現場に産業用ロボットの導入を考えている方には、中部経済産業局が公開している「産業用ロボット導入ガイドライン」をご覧になることをお薦めします。ロボット導入の担当者としてアサインされた方は、検討にあたって社内で誰がどの役割を担うと良いか、こちらの資料を元に経営者や上長と話し合う機会を持たれると、スムーズに進めやすいのではないでしょうか。

15万円を切る卓上ロボットアームDOBOT Magician®を知ろう

コンパクトタイプの製品として、卓上ロボットアームDOBOT Magician®があります。基本となるDOBOT Magician® Standard Versionは、税別15万円を切る価格帯でありながら、4軸アームを備え、位置繰り返し精度0.2mm、500gまでのオブジェクト(物体)を把持して移動したり、複数のXYZ座標を記録し(ティーチング)、それを再現する(プレイバック)といった機能を持ちます。専用のソフトウェアでグラフィカルプログラミングできる他、C言語、C#、Java、Pythonなどの各種プログラミング言語でも制御可能で、WEBカメラを接続することで画像処理を利用した制御もできます。プログラミングガイドで基礎的な制御を学び、簡易なロボットビジョンシステムを実現することもできるでしょう。(画像処理システムを自社で構築するには、言語プログラミングの経験があることが望ましいです。)

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