手頃な価格で自動化を実現、協働ロボット導入が広がる背景とそのメリット

世界的に労働力人口の減少が予測される中、産業用ロボットの販売や導入は今後も増え続ける見通しです。特に製造業の現場では、ロボット導入による自動化・省力化で人手不足を解消し、人員をより最適な部門へ再配置する流れが出ています。本記事では、デスクトップに設置できるコンパクトタイプのロボットアームが注目を集める現状を受け、利用が広がる背景や導入のメリット、検討から導入までの流れを3回に渡って解説します。

協働ロボットの導入が一層広がる背景

日本は産業用ロボット大国と言われ、稼働台数は世界2位(※1)、主要メーカーの売上高でも世界ランキングの上位に日本企業が複数社入っています(※2)。2018年10月、国際ロボット連盟(IFR)は、労働力人口の減少(人手不足)で自動化の需要が一層高まることを受けて、産業用ロボットの世界販売台数は2021年まで増え続けるという見通しを発表しました(※3)。

国内では人手不足を解消するねらいで、ものづくりの現場において協働ロボットの導入が広がっています。これまで産業用ロボットと言うと1体あたり1,000万円を超える高価格帯、大型、多機能のものが主流で、導入を考える場合、生産ラインの新設や工場の増改築といった大がかりな設備投資を要するものも多くありました。近年は、産業用ロボットの中でも安全柵や専用の稼働スペースを設けることなく、ヒトと同じエリアで動作が可能な協働ロボットが注目を集めています。協働ロボットは、より小型で設置スペースが小さいことから、大型のロボット設置が難しかった工場や施設でも導入が検討されるようになっており、自動車やエレクトロニクスを筆頭に外食産業や医薬品、化粧品、介護やホテルといった新しい領域でも一層の利用が進むことが期待されます(※4)

なぜ今、コンパクトタイプのロボットアームが求められるのか?

協働ロボットは小型化、軽量化も進んでおり、卓上に設置できるサイズの垂直多関節ロボット(通称:ロボットアーム)も様々な製品が出されています。ヒトの関節に近い働きをするのが「軸」で、軸の数が多いと動作の自由度も高くなります。ロボットアームという名前の通り、ヒトの腕のような動きが可能で、上下左右、角度の調整といった複雑な動きも制御できるため、活用シーンはますます拡大しています。
なぜ今コンパクトタイプのロボットアームが求められているのか、ポイントは三つあります。

価格

100万円前後から、機能を限定したものでは15万円を切るような価格帯の製品も登場しています。

設置の容易さ

ヒトの背丈を超えるような大型のロボットアームが作業員と同一のエリアで稼働する場合、安全の担保が必須で、例えば安全柵を設置したり専用レーンを設けたりといった設備そのものの対策が必要です。一方、ヒトが持ち運べるようなサイズ、重量のロボットは、必要なスペースを確保しやすく、設置できる(利用できる)場所が広がります。

教育(短期間で利用できるようになる)

大型のロボットアームの操作や動作には危険が伴うことから、産業用ロボットを使用して作業する人員には安全・衛生のための特別教育を実施することが必須とされています(法令によって、科目、範囲、時間等が定められています)。そのため、ロボットメーカー各社では、自社製品を使用する方を対象とした特別教育も提供され、作業に関わる方は産業用ロボットに関する知識や法令を学び、その操作、検査、保守の講習、実習などを受講する必要があります。特別教育ではロボット本体を用いた実習があるため、実施会場が限定され近隣地域で受講できるとは限りません。
一方、コンパクトタイプのロボットアームは設置が容易で法令による特別教育は不要ですから、自社の限られたスペースで、製品の解説や市販テキスト、インターネット上の様々な情報等を参考に自ら学ぶことができます。

卓上ロボットアーム導入のメリット?

生産現場でロボットアームを導入するにあたってどのようなメリットが考えられるか、ここで具体的に見ていきましょう。

労働力の確保(人材不足への対応)、ヒト依存からの脱却(働き方改革)

特定の社員に依存していた業務がロボットアームに代替されることで、人材不足による機会損失を軽減できます。単純作業に係る人員を減らすことができれば、人件費の削減やヒトにしかできない業務への人員配置も可能となります。

品質維持

長時間に渡り集中力を維持して業務を継続することは熟練の社員にとっても大きな負担となります。疲労や体調の変動が作業品質の低下やヒヤリハットにつながることもあるでしょう。単純な動作を長時間、あるいは非常に多くの回数、繰り返すことに長けているロボットアームを採用することで、品質を維持できます。

生産性の向上

稼働時間の拡大や複数台を並行して稼働させること、またスピードを保った作業で計画に沿った進捗が見込めることなど、生産性を大幅にアップできる可能性があります。

業務の見直し

ロボットアーム導入にあたっては、実際にロボットを使って代替する業務を見極める必要があります。改善したい業務を分解し、切り分け、再配分することは業務の見直しにつながります。本来ヒトでなければできない業務に集中できる環境を整えることになります。

まとめ

今回の記事では、協働ロボットの導入が広がる背景と、卓上ロボットアームが求められるポイント、導入のメリットについて紹介しました。現場の状況と事業の将来を見据え、コストを抑えながら自動化・省力化を実現可能な手段として、小型ロボットアームを検討されてはどうでしょうか。次回は、検討から導入までの流れを具体的なステップで説明します。

関連記事

参考リンク

bnr_DOBOT01_530x180.gif

関連記事