ロボット導入の検討で、社内理解を得るための参考資料まとめ

世界的に労働力人口の減少が予測される中、産業用ロボットの販売や導入は今後も増え続ける見通しです。特に製造業の現場では、ロボット導入による自動化・省力化で人手不足を解消し、人員をより最適な部門へ再配置する流れが出ています。本記事では、ロボット導入を検討されるタイミングで参考にできる資料や展示会をまとめてご紹介します。
(今回の記事では、ロボットアームに限定せず、小型、大型、産業用などのロボットを導入するための情報収集についてお伝えします。)

ロボットアーム導入までの流れ

以前公開した記事「卓上ロボットアーム、検討から導入までの流れを詳しく解説」の中で、ご紹介した「ロボットアーム導入までの流れ」をここで振り返ってみましょう。

  1. やりたいことを明確にする(課題を明らかにする)
  2. 業務の洗い出し、分解、切り分け、設計
  3. 費用、効果を出してみる、スケジュールを組む
  4. 情報収集:専門家に相談する
  5. 候補製品を探して比較する
  6. 実物に触れる機会作る
  7. 導入検討:メーカーや代理店に相談する
  8. 実物による試行
  9. 教育、導入
  10. 運用、改善

実際に導入検討の担当者となった皆さまは、「1. やりたいことを明確にする」と並行して、様々なキーワードや課題を検索し、資料を参考にしたりセミナーを聴講したり、調査の段階を経ることと思います。さらに、導入までのステップを通して常に調査を続け、運用を開始した後は導入前とは異なり、より上手く使う、より効率的に使うといった改善の視点で調査を続けることでしょう。今回はご自身の調査に加えて、社内でロボット導入に関する理解を深めたり、協力者を得たりするために役立つ資料をいくつかご紹介します。

基礎知識を得る

経済産業省/一般社団法人 日本ロボット工業会
ここが知りたい!ロボット活用の基礎知識

自社でロボットの導入を考えている方に向けてQ&Aの形でまとめられた資料です。各項目が簡潔に分かりやすい言葉で説明されていますので、ロボット導入と言ってもイメージするのは難しいと感じている方が最初に読む資料に適しているかと思います。この資料に記載されている導入コストは、製造ラインで使用される産業用ロボットを想定した例で、架台やコンベアなどラインそのものをロボットシステムとして構築する場合です。

社内の理解を得る

中部経済産業局/名古屋工業大学 産学官連携センター 平成29年3月
産業用ロボット導入ガイドライン

中小企業を対象として、製造現場での産業用ロボット活用ノウハウがまとめられた資料です。社内の誰(役割)がどのようなことを検討するか、ロボットSIerやロボットメーカーとの検討の進め方なども書かれています。導入検討に絞って手順が明らかにされていますので、検討の流れに沿って必要なことを着実に進める助けとなるでしょう。

事例を集める

経済産業省/一般社団法人 日本ロボット工業会
ロボット導入実証事業 事例紹介ハンドブック2018

経済産業省の公募で採択された事業の成果をまとめたハンドブックで、2016、2017、2018の3年分が公開されていますが、ここでは最も新しい2018をご紹介します。ロボットの導入が進んでいた自動車やエレクトロニクス産業ではなく、食品、化粧品、医療品といったロボット活用が広がっていなかった領域、サービス産業での活用(類型A)を対象として募集されました。(他にコスト削減の実証や空港、市街地など公共空間での社会実装もありました。)類型Aでは、導入実証で19社、導入前の検証費用の補助(FS事業)で8社の事例を見られます。各事例では、労働生産性の変化や投資回収などの数値データに加えて、ロボット導入のきっかけや導入したことで何が変わったか、担当者のコメント、システム導入に関わったインテグレータのコメントが記載されています。写真から採用されたロボットの形状や設置個所、複数台なら位置関係が分かるものも多く、自社導入時の具体的なイメージにつなげやすい事例が多数あります。また、労働生産性(当該業務に従事していた人数、労働時間、生産量)の変化を明確に数値で示している資料はなかなか見つからないため、社会理解を得るための資料としても有用ではないでしょうか。

一般社団法人 日本ロボット工業会
産業用ロボット事例紹介

正会員の企業(ロボットメーカー)がユーザーにロボットを導入した事例の動画やWEBサイトのリンク集です。一般組立やピッキング、測定など導入場面ごとに分けられているため、想定する活用シーンに近いものを選んで閲覧できます。

兵庫県/神戸市/公益財団法人 新産業創造研究機構 2019年3月
IoT・AI・ロボット導入・活用事例集

平成30年度、兵庫県で実施された「中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業※」の成果がまとまっています。20の事例のうち、協働ロボットや多関節ロボットの事例もあります。
※ 中小企業IoT・AI・ロボット導入支援事業は、2018年4月から2021年3月にかけて実施される「ひょうご次世代産業高度化プロジェクト」で行われています。

展示会を活用する

展示会には多数のメーカーが出展し、様々な事例や最新の活用例を紹介するため、短い時間で効率的に情報を収集できます。産業用ロボットで世界をリードしてきた日本での展示会には海外からの出展社も多く、調査したい項目を明確にして臨めば個別に問い合わせするよりも比較・検討にかかる時間をぐっと短縮することも可能です。また、個別の問合せでは日程調整に時間のかかる、実機によるデモンストレーションも期待できるでしょう。

国際ロボット展

2年に一度開催される大規模な展示会で、次回は2019/12/18(水)~21(土)の四日間です。国内、海外を問わずロボットメーカー、ロボットSIerが多数出展する他、フォーラムやセミナーも開催されます。

産業用ロボット開発技術展

サービスロボット開発技術展、次世代モビリティ開発技術展と併催で、2019年10月17日(木)、18日(金)の二日間、パシフィコ横浜で開催されました。セミナー情報からは、サービスロボット、コミュニケーションロボットの方が注目されているように見えますが、会場では産業用ロボットも多く展示されました。既に2020年の日程も公開されていて、6月には大阪で、11月には東京での開催が決定しています。

ロボデックス(ロボット開発・活用展)

2020年2月中旬、東京ビッグサイトにて開催される大型の展示会です。名称に「活用」とありますので、ロボット単体ではなく周辺機器も含めて実用場面を想定した展示が多く並ぶでしょう。

まとめ

ロボットの導入検討にあたっては、インターネット上で検索できるものから調査を始めることがほとんどでしょう。実際に、各ロボットメーカーは膨大な資料を公開し、文章やイラストや動画で活用場面を紹介している他、ショールームや説明会で直接目にできる、触れられる機会も設けています。しかし、候補となる製品を一度に比較・検討できる場面は展示会に限られることが多いため、予め調査した内容を元に、実物を見ながら確認したい項目をリストアップして臨むことをお薦めします。

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