【授業実践】東京農業大学における農業工学分野でのEV3活用事例

本記事は、2017/7/16(日)に開催されたRobotics Education Dayの講演レポートです。

  • 「農業工学分野及び小学生教育におけるレゴ®マインドストーム®EV3の活用事例について」
  • 東京農業大学 地域環境科学部生産環境工学科 佐々木豊 教授

農業工学分野への教育応用事例

地域環境科学部生産環境工学科には農業土木、農業機械の二つの分野があり、理系、文系に関わらず「環境」という語に惹かれて進学してくる学生も多い。生物に関心が高いが、機械やプログラミングが必修なため、苦手意識が強い場合もある。そうした学生を対象に、レゴ マインドストーム EV3を活用した教育改善や、卒業研究への応用を試みている。

授業での活用例

  • 学部2年生の基礎実験 3時間
  • 学部3年生の専攻実験 7回分のうち、3~4回でEV3を使用
  • 学部3年生の専攻演習(I) レゴロボットコンテストを実施。フードチェーンにおける農業ロボットをテーマとし、1コマ/週*7回で、ロボットのアイディアを考え、製作し、プログラミング、発表までを行う。

学部3年生が製作した農業ロボットの例

  • 自律トラクターロボット:耕しながら作業機のコントロールもできる
  • 合鴨ロボット:キャタピラーのロボットが雑草を踏んでいくことで、稲よりも雑草の生長を遅らせる
  • 野生鳥獣対策ロボット:鹿、猪、外来種など対象を感知すると威嚇し、ボールを射出、対象を撃退する
  • トマトやイチゴの収穫ロボット:カラーセンサーで熟度を判定、収穫、回収、かごへの仕分け等

オープンカレッジでの小学生親子を対象とした活用例

小学生を対象に、EV3を用いてロボット組み立てとプログラミングの自由研究にチャレンジしてもらう内容。2016年度は、オープンカレッジの2時間で実施する前提で、既定のロボットにブロックパーツで装飾を加え、プログラミングで動かし、まとめる流れとした。実施後のアンケートでは、9割弱が楽しいなど肯定的な感想だったが、参加した小学生や保護者らの7割以上がプログラミングの難しさを回答している。また、時間が短いこともあり、小学生にとってはプログラミングよりもオリジナルの組み立て方への関心が勝ったようである。

NPOでの活用例

2017年2月、NPO法人子ども教育研究会「やおわらし」を設立。子ども、大人を含めて楽しみながら教育を通して、情報格差を無くしていきたいという思いがある。今後は、戸田市教育委員会と連携して、体験教室の実施やサイエンスフェスティバルへの参加を予定している。EV3自体は非常に良い教材だが、地域ではまだまだ知られていないため、NPOを通じて活動を継続していきたいと考えている。

関連記事