小学校プログラミング教育、NPOや社団法人の事例資料をまとめてご紹介

2020年度には小学校で新学習指導要領の全面実施が始まります。間もなく始まる2019年度は、プログラミング教育必修化に向けた移行期間の後半に当たり、全国各地で小学校の教員向け研修が多数展開されることが予想されます。また、2018年度末である今、2019年度の研修計画やプログラミング教育の導入スケジュールを組んでいる先生方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、子どもたちにプログラミング体験の場を提供しているNPO法人や社団法人などから公開されている資料をまとめてご紹介します。学校現場が実践の場となっている例も多数ありますので、研修を検討される際、あるいは授業を組み立てる際、参考資料としてお役立てください。

全国規模で拡がりを見せるNPO法人によるプログラミング教育推進・普及活動

前回の記事(小学校プログラミング教育、関係省庁の解説・事例資料を総まとめ)で、総務省が実施した「若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業」(成果報告WEBサイト)を紹介しました。この事業では多くの民間団体(NPO法人や企業)が学校現場に入り込んで、子どもたちにプログラミング体験の機会を生み出すこと、指導者を育てることの双方に取り組んでいました。

ここでは、2016年(平成28年)に全3回行われた「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」の委員の皆さまと関わりのある団体の事例を見ていきましょう。

子どもたちに創造的な学びの場を提供し続けるNPO法人CANVAS

2002年に設立されたCANVASは、15年以上に渡って全国の子どもたちにワークショップという形で体験の機会や創造的な活動に取り組むチャンスを提供し続けています。

Computer Science for ALL プログラミング教育普及プロジェクト

授業・ワークショップ紹介
「すべての子どもたちにプログラミング教育を届ける」ことをねらいとして運営されているオンラインメディアで、授業やワークショップの実施例が多数掲載されています。小学校の事例としては、国語、図画工作、音楽、算数(かけ算)、生活科など、教材ではキュベットやスフィロといったロボット、Scratch、ラズベリーパイなどがありました。

PEG programming education gathering

TOOL プログラミング教育実践者のためのツールを紹介したページ。
ラズベリーパイやScratchを使った指導者向けの研修会資料、授業の指導案(第3学年の理科、第5学年の国語など)をダウンロードできます。また、全国のパートナー(小中高校、大学、民間団体等)も掲載されていますので、プログラミング教育の導入にあたって地域で連携できる先を探すこともできるかと思います。

2000人の指導教員養成に取り組む、NPO法人みんなのコード

各地で行われた「プログラミング教育明日会議」に参加された方も多いかもしれません。(一社)みんなのコードは、プログラミング教育を指導できる教員養成を力強く推進している団体で、2019年度中に2000人という大きな数値目標が掲げられ、教育委員会や都道府県、市区町村との連携による活動も次々に展開されています。2019年2月には一般社団法人CoderDojo Japanとのパートナーシップに関するニュースも報じられました。

プロカリ

2018年3月、プログラミングを取り入れた実践授業の事例が集められたWEBサイト「プロカリ」が公開されました。こちらに掲載されている事例には、学習内容、単元の目標、指導案やワークシートといった情報に加えて、どういったところがプログラミング的思考とつながりがあるのか、学習指導計画(その単元を学ぶ数時間分の内容)、ある日の1時限(45分間)の展開も詳しく記載されています。さらに、教室の設備(インターネット接続の可否、ICT環境など)も紹介されているため、自分の学校で実施する場合に必要となる物品や環境が分かります。

また、小学校全体(1~6学年)で取り組むことを前提として、何年生で何を学ぶためにどういったことに取り組むかを一枚にまとめた全体計画や、そこから各月、各学年の学習内容まで落としこんだ年間指導計画のシートまで公開されています。

社団法人による公開例

小学校プログラミング教育導入支援ハンドブック2018(一般社団法人ICT CONNECT 21)

ICT CONNECT 21は未来の学びコンソーシアムの賛同者でもある一般社団法人で、教育の情報化フォーラムを実施したり、教材コンテンツの利活用を推進したりといった活動もしています。ハンドブックでは、スムーズに導入するためのヒントとして、研修を積極的に行うこと、系統的なカリキュラムを立案することの二点が挙がっています。また、小学校プログラミング教育の取り組み事例や無償、有償の教材が紹介されています。

  • 岩手県:4年(5年):算数 (Hour of Code)/ 6年:理科(ビュートビルダーP)
  • 岡山県備前市:1年:生活(Ozobot)/ 3年:総合的な学習の時間(レゴ® WeDo 2.0)
  • 徳島県東みよし町、土佐市:4年:算数(マインクラフト、メイクコード)
  • 茨城県つくば市:1~6年:プログラミン、スクラッチ、マイクロビット等

世界110ケ国に展開、プログラミングを楽しむコミュニティ CoderDojo(一般社団法人 CoderDojo Japan)

NPO法人みんなのコードとのパートナーシップが発表されたCoderDojoは、子どもたちがプログラミングを学ぶためのコミュニティです。日本全国に小さなコミュニティが存在し、小学生から高校生が(対象は7歳から17歳)プログラミングを自由に主体的に学んでいます。

CoderDojo Kata(道場情報まとめ)

CoderDojoで使われている教材がまとめられたページがあり、Scratchやmicro:bitの様々な資料(教材)が掲載されています。平易な言葉と分かり易い画面で作られている資料も多いので、初めてのプログラミングを楽しく進められる教材として活用できると思います。(使用する際は、各資料に記載されているクリエイティブコモンズライセンスや使用方法に従って適切に取り扱ってください。)

教材オリジナルの公開情報

プログル

第5、6学年の算数の授業で使用できる3種類の指導案やワークシートが公開されています。いずれも1時限の中で完結できる所要時間になっています。

  • 「平均値コース」 5学年、算数、比べ方を考えよう、30分程度
  • 「多角形コース」 5学年、算数、円と正多角形、20分程度
  • 「公倍数コース」 5学年、算数、倍数と約数、40-50分程度

サイボウズ

コーディングなしでアプリを制作できるkintoneというサービスを使用した授業の指導案と、サービスを利用するためのライセンスを無料で申込むことができます。

  • 4学年、国語、新聞の作成のアンケート×プログラミングで考える・書く活動を充実
  • 4学年、理科、継続観察×プログラミングで生き物の変化を深く学ぶ

MakeCode×micro:bit 200 PROJECT

学校のプログラミング教育活性化を目指すプロジェクトで、授業例/サンプルコードのページにmicro:bitの授業案が公開されています。実施報告書をダウンロードすると、単元の目標、学習指導計画、ある時間の詳細な流れを見ることができます。現在は、4年生の理科、総合的な学習の時間、特別活動、外国語活動で、実施報告書、サンプルコードを活用できます。

レゴ エデュケーション 授業でそのまま使える授業案ダウンロードサイト

同社のプログラミング教材であるWeDo2.0、レゴ® マインドストーム® EV3を使った小学校の授業案が集められています。3学年~6学年、図画工作、社会、理科、総合的な学習、算数があり、指導案、モデル作成図(ロボットの組み立て方)、ワークシートやスライドをダウンロードできます。16の掲載例のうち、一部を列記します。

  • 5学年、図画工作、クルクルアニメーション
  • 5学年、社会、これからの食料生産
  • 5学年、総合的な学習、災害救助ロボット
  • 6学年、算数、ロボットの移動による図形の線描
  • 6学年、理科、発電と電気

まとめ

新学習指導要領ではカリキュラム・マネジメント(教科横断的な視点、PDCAサイクルの実現、教育内容と必要な人的・物的資源の活用や効果的な組合せ)が重視されていることもあり、プログラミング教育についても小学校6年間を通してどのように各教科内に取り入れ、何を学ぶかを学校全体で考え取り組んでいく必要があるとされています。今回ご紹介した様々な事例を柔軟に活用いただきながら、子どもたちの様子や地域性を鑑み、各学校に適した継続できるプログラミング教育を検討されることが重要と考えます。

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