理系脳が経営を制す?経営情報学にPBLの導入を

経営情報学を学ぶひとつの方法としてPBLがあります。経営情報学は何を学び、PBLが導入されるとどのようなメリットがあるのでしょうか。経営情報学においてPBLとプログラミング教育が育む、これからの経営に求められる情報活用能力について解説します。

経営情報学とは-経営戦略に情報システムを活用する

日本の大学において経営学部というと、社会学中心に学ぶことから文系に分類されます。しかし、理系分野からのアプローチで経営を研究する学問があります。それが経営情報学です。経営情報学とはどのような学問で、どのようなアプローチで経営を研究するのでしょうか。

経営情報学とは

経営情報学は、「経営戦略と情報」「経営と情報システム」など経営における情報の積極的な活用を研究する学問分野です。企業を経営していくうえで経営者が行う意思決定の場面で必要となるのは企業経営に関わる質の高い情報です。経営情報学では、この質の高い情報を、どこから集め、どのように活用するのか、という観点から経営と情報の関わり方をあらゆる角度から探っていきます。

経営情報学では、客観的な市場データ、経営者の培ってきた経験などを含めた、さまざまな情報を経営と結びつけて考える発想が求められます。これらを経営に活用するためにITを利用した情報システムを用いて、経営上の課題を解決するための研究に力をそそぐのが経営情報学です。

経営情報学の主なカリキュラム

経営情報学は、一般的に経営学の理論を母体とし、そこに情報処理やシステム設計などの手法を組み合わせて学びます。以下は、経営情報学におけるカリキュラムの一例です。

  • 1年次カリキュラムの一部
    ITシステム基礎・プログラミング基礎・経営戦略基礎
  • 2年次カリキュラムの一部
    データベースマネジメント・応用プログラミング・ビジネスプロセス分析
  • 3年次カリキュラムの一部
    マーケティング戦略・ITシステムと経営・経営情報システム
  • 4年次カリキュラムの一部
    経営情報学統合演習

1年次にプログラミングの基礎やITシステムについて、2年次にはデータベースの活用法やプログラミングの応用を学びます。3年次にこれらを複合した科目を履修、4年次にはより実践的なプロセスから総合演習に取り組みます。このように経営情報学とは、プログラミングやシステム設計などの理系的プロセスを用いて、経営に必要な意思決定のソリューションや情報分析などITを利用して研究する学問です。

これからの経営に求められる情報を制する能力とは

以前の経営情報教育は、コンピューターの使い方から始まり通信技術の教育といった情報システム技術の習得に重きをおいたものが一般的でした。しかし技術の習得ばかりに偏っているという指摘もあり、今後はその技術の応用と、技術によって集めた情報を活用する能力が重要とされています。

そこでこれからの時代に、情報システムと情報活用能力を経営やビジネスの場で生かしていける人材に求められるのは次の3つの能力と考えられています。

  • 経営問題の情報的表現能力
    情報やデータに基づいて、経営における課題や問題の解決方法を表現する能力
  • 情報品質評価能力
    経営において意思決定に必要な情報の品質を評価し、質の高い情報を見抜く能力
  • 情報技術活用能力
    課題解決に向け、情報システムを活用する環境を工夫・構築できる能力

従来これらの能力を身につけるためには、実社会での経験が必要とされてきました。なぜなら以前の教育法では教えることのなかった、「答えのない問題」が実社会にはあふれているからです。

そこで注目されたのが、PBL(課題解決型学習)です。PBLを取り入れることによって、実社会で経験することになる「答えのない問題に取り組む力」「課題解決能力」を磨けます。この点がより実践的かつ実社会での経験に近い演習法として注目され、今では多くの経営情報学部でPBLを用いた授業が取り入れられています。

経営情報学にPBLを導入し論理的思考と課題解決能力を磨く

文部科学省が公表している「教育の情報化に関する手引」では、「情報教育とは情報活用能力の育成を図るもの」と位置づけ、情報教育の目標として次の3つを掲げています。

  • 情報活用の実践力
  • 情報の科学的な理解
  • 情報社会に参画する態度

また、このなかで情報活用能力を育む情報教育として文部科学省は「総合的な学習の時間」が必要と考えています。「総合的な学習の時間」とは、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、そして主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成する」時間です。これはまさにPBLを用いた学習法であり、PBLの重要性を表すものです。

また、総務省では「ICT利活用の促進」政策としてプログラミング教育を推進しています。このように、経営情報学に欠かせない情報活用能力を育む手段としてPBLとプログラミング教育が推進されています。これらからPBL、プログラミング教育、そして経営情報学の3つには深い関連性があることがわかります。実際に多くの経営情報学部で、情報活用能力を身につける手段としてPBLとプログラミング教育が取り入れられています。このように論理的な思考力とIT技術の活用能力があることを理系脳と呼ぶとすると、これからの経営を制するのは経営情報学部で学んだ理系脳の人材です。

理系脳による経営の重要性

経営情報学の概要とPBLとの関連性、これらが注目を集める理由についてまとめました。これからの社会で活躍する人物像として求められるのは論理的思考力を持ち情報を活用できる理系脳です。理系脳による論理と情報を活用した理系的な思考プロセスによる経営は変化と不確定な情報が多い環境のなかで強みを発揮できることでしょう。

参考:

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