2020年教育改革は日本の教育をどう変えるか

2020年教育改革の背景とその目的、改革の内容はどのようなものなのでしょうか。2020年教育改革の概要と、改革により再び注目を集める2つの学習法、アクティブ・ラーニングとPBLについて、そのスキルを身につけるための演習法をご紹介します。

2020年教育改革―なぜ今、改革が必要なのか

2020年に行われる教育改革は、1979年の共通一次試験導入以来、42年ぶりの教育大改革です。なぜ今、改革が必要とされるのか、改革の根底にあるものは何か。そして従来の教育のどこが問題視されているのか。これらについて解説します。

推進するのは教育界と産業界

受験競争が激化するなか、現在の教育方法は改革が必要と以前からいわれていました。「つめこみ教育」と呼ばれ知識の暗記と反復に偏っていると疑問視されていたのです。
こうした声は年々大きくなり、このままでは世界的な教育方針の変化についていけなくなると、教育界は警鐘を鳴らし続けてきました。また産業界は、グローバル社会で活躍できる人材育成のために教育の改革が必要だとこれを後押ししました。
こうした危機感や将来への展望をまとめ、2020年を目処についに、教育の大改革が行われようとしています。改革の音頭を取るのは文部科学省です。検討に検討を重ねた改革の内容が公表され、教育に大きな変化が訪れようとしています。

社会で活躍するための資質・能力をはぐくむ

2020年教育改革における大きな変化として、これからの教育で重要視される点が、暗記した知識を正確に書くための教育から「何を理解しているか」「何ができるかを見つけ、覚えた知識を活用できる能力」へとシフトしようとしています。
この能力を、これからの社会で必要となる「21世紀型スキル」と位置づけ、従来の「知識のつめこみ」型教育から、次のようなスキル養成を重視した教育へ転換していこうとしているのです。

  • 学びに対する主体性の醸成
  • 知識・技能について何を理解し何がができるかの把握
  • 理解していること、できることをどう生かすかの思考力・判断力・表現力の養成

こうしたスキル養成のための手法として「アクティブ・ラーニング」が用いられ、これまでの「教師から生徒への一方通行の授業」ではなく、「生徒が主体的・能動的に参加して学ぶ授業・学習」が行われます。

2020年教育改革が目指すもの

日本の教育は、2020年教育改革によってどのように変わっていくのでしょうか。また2020年教育改革がめざす、これからの日本に必要な教育のあり方とは何なのでしょうか。

「答えのない問題」に取り組む力

子どもたちが社会に出たとき、変化と選択肢があふれる世界で直面するのは「答えのない問題」ばかりです。これまでは、テストで良い点を取るために、覚えた知識・技能をいかに早く正確に回答するかという能力が重視される仕組みになっていました。しかし2020年教育改革では、覚えた知識や技能をもとに自分の頭で考え、自ら表現し、自己の資質を見い出し、それらを社会で発揮する力を身につけるための教育へと変わろうとしています。

学力の基準となる3つの要素

2020年教育改革では、新たな学力の基準として3つの要素を掲げています。これまでの「知識・技能」に加え、その知識と技能をどのように使うかという「思考力・判断力・表現力」、さらにその課題に対し、どのように取り組むかという「主体性・多様性・協働性」。この3つを新たな学力判断基準として評価が行われます。

2020年教育改革で変わる小中高教育と大学受験

では具体的に、2020年教育改革によって何がどのように変わるのでしょう。「英語教育の強化」、「アクティブ・ラーニングの重視」、および「センター試験の廃止」などが大きな変更点として注目されています。

英語教育とアクティブ・ラーニング

グローバルに活躍する人材育成に欠かせない要素として、英語教育が強化されます。現在は小学5、6年生に「外国語活動」という科目がありますが、改革後は「外国語活動」を小学3、4年生にシフトし、小学5、6年生は「英語教科」が授業としてカリキュラムに組み込まれます。
また、もうひとつの小中教育における大きな変化として、アクティブ・ラーニングがより重視されます。これまでの、教師から生徒への一方的な授業に代わり、生徒が主体的に対話しながら深く学んでいく手法が取られます。問題発見・解決学習(PBL)の組み込み、グループワーク、ディスカッションなどを取り入れた学習へと変わっていきます。

センター試験の廃止とCBT

2020年教育改革において、最も注目が集まっているのが大学入試制度の改革です。これにはセンター試験の廃止という劇的な変化も含まれます。
センター試験に代わり採用される「大学入学共通テスト」という試験方式では、センター試験のマークシート方式から記述式の答案方式に変わるといわれています。
この新しいテストは、「大学入学希望者学力評価テスト」という仮称でその実施方針案が検討されていましたが、具体的な問題例などの公表とともに名称も変更され、大学入学共通テストとして正式に決定しました。
大学入学共通テストには、「合教科」「科目型」「総合型」と呼ばれる複合的な問題が出題され、CBT方式(Computer Based Testing)と呼ばれる、パソコンを使って回答する方式が採られることも大きな注目を集めています。
また、「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」という試験が実験的に導入され、高校での基礎学力を確実に身につけているかが判断されます。このテストも今後、大学入学の判断基準として用いられるかどうか、実験期間のなかで検討される予定です。

プログラミング演習との親和性

このように、2020年教育改革によって試験方法と試験に向けた学習法だけでなく、さらにその先にある社会での活躍を見越した学習も含め、日本の教育を取り巻く環境は大きく変化すると考えられます。より重視されるのはアクティブ・ラーニングと問題発見・解決学習(PBL)です。
この2つの学習法と親和性の高いものとして、プログラミング演習が注目を集めています。プログラミングの演習にアクティブ・ラーニング、PBLを取り入れてスキルが上達した事例が報告されています。

まとめ

2020年に行われる、大規模な教育改革について紹介しました。これまでの日本の教育、特に大学受験をひとつのゴールと見すえた学習方法に、激震ともいえる変化が訪れるといわれています。また大学受験の大きな変化とともに、これまでの「知識の詰め込み」と呼ばれていた教育からアクティブ・ラーニング、PBLといった学習法を重視した授業へと切り替わっていきます。2020年教育改革を境に「21世紀型スキル」を身につけていくことが重要視されます。

参考

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