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とにかく楽しむ「遊びの場」としてデザイン 子どもたちの思い通りにロボットを動かすCSR活動とは

2016年に創業以来、ソフトウェアやプロダクト開発、インフラ構築などを提供するC&Fコーポレーション株式会社(以下、C&Fコーポレーション)。同社が2024年から力を入れているのが、地域社会への貢献を目的としたCSR活動です。公益財団法人ふくい産業支援センターが主催するイベント「クマンドウデジタルアライブ※1」へ出展し、デジタル化の“いま”を子どもたちに体感してもらう取り組みを行っています。その取り組みについて、代表取締役の小口弘さん、システム開発本部第4システム部の松村高志さん(以下、小口さん・松村さん)にお話を伺いました。

IT業界の更なる発展に向けて
C&Fコーポレーションが考える“一つの答え”

– C&Fコーポレーションの事業内容を教えてください。
小口さん「当社は、物流・流通業に特化したソフトウェア開発を展開しています。また、現在、研究開発中ではありますが、一次産業へのIT投資の一環としてロボット開発にも取り組んでいます。3D CADや3Dプリンターを活用して少人数で試作を行い、事業として軌道に乗せたいと考えています。」

– ソフトウェア開発やロボット開発を進めているなかで、CSR活動を行うきっかけになったことはなんでしょうか。
小口さん「きっかけは、松村が入社前に同イベントに参加していたことです。IT業界へ良いイメージをもってもらえるようにするとともに、IT機器に触れることに慣れている子どもたちがその仕組みについても興味を持てるように直接支援できればと考えました。」

松村さん「私自身、IT業界で長く働いてきて、業務の多くが成果物とともに人の目に触れにくく、身近に感じてもらいにくいと思っていました。そこで、直接地域の方々に目に見える活動をしたいと思い、10年ほど前から個人的に地域貢献活動を続けてきました。その発表の場をくださったのが、ふくい産業支援センターの方々です。C&Fコーポレーションとしての参加は、今年で2年目となり、今年は “来場者にどんなことを伝えたいか”を意識し、私のこれまでの活動をビジネスの視点からも発展させることができました。」

コンセプトは「一緒に遊ぶ」
レゴを使ったワークショップとは

– 今年はどんな想いをもって企画、実行まで進められたのでしょうか。
小口さん「私たちは職業柄、ワークショップを開くと“教えること”に意識が向いてしまいがちです。しかし、今回は“子どもたちと一緒に遊ぼう”という方針で進めました。子どもたちが疑問に思ったことや、進行上必要なことは教えますが、基本的には自由にやってもらうよう社員にも伝え、企画・実行しました。」

– イベントはどんな内容だったのでしょうか。
小口さん「3つのワークショップを行いました。1つ目は小学1~4年生向けに『レゴ® エデュケーション SPIKEプライム※2』を使ったプログラミング教室で、Scratchのサンプルプログラムと車型ロボットを1組ずつ渡し、体験していただきました。2つ目は小学5~6年生向けの『マインクラフトで学ぶプログラミング』です。この2つは事前予約制で、どちらも開催前に満員となりました。3つ目は乳幼児でも楽しめる体験コーナーを設け、リモコンやコントローラーで操作できるロボットを予約なしで自由に触ってもらいました。」

– レゴを使うワークショップは初めてだったのでしょうか。また、レゴを選んだポイントを教えてください。
小口さん「レゴを使うワークショップは今回が初めてでした。社員教育の際に旧型の『レゴ® マインドストーム® EV3』を使っていた経験から、プログラムの仕組みを理解しやすい教材だと肌で感じていました。また、小学1~4年生は最もレゴブロックに親しんでいる世代です。身近なおもちゃを実際に動かしてもらいながら、プログラミングのメカニズムを自然に学べる点が魅力だと感じ、選びました。」

松村さん「小口からは以前、機材だけでなく、レゴの歴史についても信頼を置いているという話を聞きました。IT機器は移り変わりが激しいことから、使えなくなったり、そもそも製造中止になったりすることがあります。その中でも、長く使えることからレゴを採用したと聞き、なるほど、と思いました。」

– 参加した子供たちやご家族の反応はどうでしたか。
松村さん「レゴのワークショップの場合、1回90分・4組定員で合計3セット実施しました。どの回も90分より前に退出された方が1組もいなかったのが驚きでした。」

小口さん「私たちが説明していないセンサーを使い、線を認識して止まるプログラムを作る子どももいました。保護者の方もお子様と一緒に夢中になって楽しんでくださり、『SPIKEプライムってどこで買えるの?』というお問い合わせも頂戴しました。また、主催者の方からも『次は高学年向けにぜひ』というお声をいただきました。」

※この画像はイメージです。

夢中になって取り組んでもらう秘訣は
“自由に遊んでもらう”

– 大盛況で終えたワークショップの成功の秘訣はなんでしょうか。
小口さん「“教えすぎない”ことだと思います。多くのワークショップは“学びの場”として設計されますが、私たちは“遊びの場”をメインにデザインしました。最初に必要なプログラミング方法だけ伝え、あとは時間内で自由に遊んでもらったことで、子どもたちも保護者の方も夢中になって“遊んで”くれたのではないか、と思います。」

– 今後取り組んでいきたいことはありますか。
小口さん「今後も『クマンドウデジタルアライブ』にはできる限り参加していきたいと考えています。また、現在は地元の雇用促進や人材流出防止を目的に、自治体への提案も行っています。今回の活動で、レゴ® エデュケーション SPIKE™プライムの教育効果を改めて実感したので、今後は自治体と連携し、地域全体に広げていきたいですね。」

「遊ぶこと」をコンセプトに設計された今回のワークショップ。“自由に遊ばせる”という姿勢が、子どもたちの好奇心や創造力を最大限に引き出しました。C&Fコーポレーションの取り組みは、IT教育やCSR活動の新しい形を示す好例といえるのではないでしょうか。

参考:
※C&Fコーポレーション株式会社
※1公益財団法人ふくい産業支援センター主催:クマンドウデジタルアライブ
※2レゴ® エデュケーション SPIKEプライム

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