2020年7月11日、レゴ®エデュケーションと株式会社アフレル共催で、『主体的に探究する学び~ICT教材を活用したSTEAM学習と実践事例~』を開催いたしました。次世代の子どもたちに必要な力を養う教育方法として注目を集めるSTEAM学習にフォーカスをあて、STEAM教育に取り組まれるお二人の先生をお招きし、教育ソリューションや事例をご紹介しました。当日は教育委員会や中学校・高校の教職員の方を中心に、レゴのプログラミング教材を使った教育法や他校の授業実践例を知る機会として、100名を超える参加者がオンラインにて視聴しました。セミナーの最後にレゴエデュケーションSPIKE?プライム(以下、SPIKE?プライム)の特徴や導入方法をご案内しました。
Learning through play ? 楽しみながら学び、21世紀型スキルが身に付く
冒頭、レゴ® エデュケーションの江口敬介氏からは今回のイベントについて「STEAM教育という言葉は普及してきたが、一方でどのように現場へ導入すればいいのか、という声もある。本日紹介する実践事例やソリューションを通して、次世代を生きる子ども達にどのように活かせるか考える機会になれば」と挨拶がありました。
続いて、「なぜ今STEAM学習が求められるのか」というテーマでレゴ®エデュケーション トレーニングアカデミー マスタートレーナーの多賀小大里氏からお話がありました。
多賀氏はSTEAM教育について、「課題の発見/解決ができる人の育成の為に必要である」とし、さらに、これからの学びは「知識」だけでなく、学んだ知識を活かす「スキル」の習得も同時に必要であると述べられました。レゴ教材は同社の教育理念であるLearning through playに基づいて作られたと言います。レゴ教材を使う事で、自然と「他者と交流する、主体的に参加する、反復性がある」等の体験ができ、結果的に21世紀型スキルが身に付けられることを説明されました。終盤では新商品のSPIKE?プライムを授業で活用する場合の事例を紹介し、5E(ENGAGE、EXPLORE、EXPLAIN、ELABORATE、EVALUATE)を授業の中に上手に取り入れる事で、「知識」と「スキル」両方が身に付けられることを強調されました。最後に「STEAM教育では間違うことを恐れないマインドが持つことが大事です。レゴエデュケーションの教材を使い、楽しみながらSTEAM学習を行なってほしい」と締めくくりました。
学校現場でのSTEAM学習導入事例
プログラミング教育やSTEAM教育へ先進的に取り組まれているお二人の先生にご登壇いただき、教育現場での事例や活動内容をご紹介いただきました。
- ?「これからの生きる力を育むプログラミング的思考の育て方」
相模原市教育委員会 指導主事 渡邊 茂一 氏
渡邊氏は、生きる力を養うプログラミング教育や、全国に先駆けたSTEAM教育の導入に携わり、市内だけでなく、多くの自治体や学校でも普及・推進活動に努めています。当日は、STEAM教育のねらいや、そこで育まれた資質や能力がどのように発揮されるのかをご説明いただきました。STEAM教育の事例として、相模原市の小学校・中学校における、六つのプログラミング教育の事例を、実践授業の展開例を交えながらご紹介いただきました。また、STEAM教育における、中学校の技術分野の役割や小学校で実施する際の視点についてもお話しされました。
- 「当たり前な事が当たり前でなくなった今だからこそSTEAM教育で問題解決力を育む」
神奈川大学附属中高等学校 副校長 小林 道夫 氏
問題解決力育成に有効なツールとして、ロボットプログラミングを積極的に授業に採用する小林氏に講演いただきました。小林氏はSTEAM教育の捉え方について、プログラミング技術やICTスキルの習得に重点が置かれやすい点を指摘し、「それよりも問題について議論したり、どう解決できるか過程を学ぶことが重要」と強調しました。高等学校の情報科では「問題解決の方法としてICTを学んでほしい」とし、今後の授業の広がりに期待を寄せました。途中、新商品のSPIKE?プライムを使った作品も披露していただき、自由度の高さや簡単な操作性に加え、Pythonに対応している点等、SPIKE?プライムならではの特徴を述べていました。
ご講演後の質疑応答では、STEAM学習の評価方法や事例での授業時間数、自治体での取り組み方、探求学習での活用法・課題設定など様々な質問が上がりました。また、プログラミング教材を使用する際に、個人とグループでの活用効果についても質問があがり、実際の事例を交えながらそれぞれの取り組みや効果をお話しいただきました。
実社会とのつながりを学べる、SPIKE?プライム
レゴエデュケーションの新たなSTEAM教材、SPIKE?プライムについて、江口氏より製品紹介がありました。SPIKE?プライムの特徴として、アイデアを形にしやすいブロックパーツや多彩な高性能センサー、豊富な授業アイデアと先生用サポートツールなどが挙げられました。SPIKEを用いることで、衝突回避装置や信号機の電光掲示板、さらにはWEB上の天気予報を活用したIoT家電など身の回りにあるものを製作し、実社会とのつながりを学べると言います。
当日は、オンラインの画面越しに、アプリ上のスクラッチベースプログラミングやPythonでのプログラム作成方法を説明しながら、SPIKE?プライムの動きやロボットの機構をご覧いただきました。
約1時間半にわたり、STEAM教育のあり方や必要性から先進的な実践事例までをご紹介しました。参加者からは、「STEAM教育やプログラミング教育についても知る機会となった」や「実際の取り組み事例が紹介されていて、プログラミング授業の参考になった」といった感想がありました。
参考リンク
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