人材育成

【人材育成】社員の子どもと新入社員に笑顔と学びの機会を届ける「キッズアカデミー」

豊かな自然環境と多くの歴史遺産を有し、本州の最西端に位置する山口県下関市。ここに70年以上の歴史を持つ老舗企業のJRCS株式会社(以下、JRCS)では、新入社員研修の一環として、社員の子どもを対象としたイベントを実施しました。社員が笑顔になれる取り組みとして、このイベントを企画した背景や想い、JRCSが取り組む人材育成について、副社長の有泉様と本イベントの企画運営担当の山中様を取材しました。

船舶の安全、安定、そしてDXを支えるJRCS

JRCSは「海上物流を絶対に止めない」というミッションのもと、船舶向けの動力・計装システムの開発、製造、販売、メンテナンスを行う舶用機器メーカーです。複雑化する船舶の安全な航行を支える動力システムと計装システムを中心に、製品やサービスを国内外の企業や官公庁へ提供しています。近年はデジタル事業を展開し、エッジコンピューティングとクラウドコンピューティング技術をコアとした「Infoceanus(インフォシアナス)」を提供しています。「Infoceanus」は最新のテクノロジーで海と船舶の情報を統合的に把握し、そこで働く人々へリアルな情報を提供します。インフォシアナス・シリーズとして、船舶の安全運転を支援するAIソリューション「command」や船舶のパフォーマンスを最大化するIoT&データ分析ソリューション「connect」など、様々なソリューションを提案しています。

社員の子ども向けイベント「キッズアカデミー」

主要事業である「海洋事業」や新たな柱として拡大している「デジタル事業」など様々な事業を手掛けるJRCSは、会社における重要事項の一つとして「人づくり」に力を入れ、多種多様な取り組みをしています。その一つに、社員の子どもたちを対象としたイベント「キッズアカデミー」があります。
このイベントは社員の子どもたちが学校での学びとは違う楽しさを体験してもらう場として、新入社員8名が企画、運営しました。学びのテーマとして、レゴロボットによるプログラミングや英会話、韓国の遊びなど学生時代に取り組んだ内容や多国籍な新入社員構成といった個々の特性を活かした内容を企画しました。しかし、新型コロナウイルスの影響により、対面形式での開催からオンライン形式へ変更されました。オンライン形式での実施が一週間前に決まり、準備期間が短い中、オンラインでも楽しくできるテーマや内容に変更し、無事にオンラインでの開催を迎えられました。

当日は、社員の子どもたち、小中学生14名が参加し、新入社員たちが先生役として登壇しました。前半は日本郵船とうんこドリルが公開している「うんこドリル 海の物流」※1を使用し、JRCSと関わりの深い“船”にまつわるクイズを通して船について楽しく学びました。後半は事前に参加者が親へ仕事内容をインタビューし、その内容を資料にまとめて発表しあうことで、JRCSの事業内容や親の仕事について理解を深めました。
イベントの企画運営を担当した山中氏に工夫した点や当日の様子を伺いました。

「オンライン実施に切り替えたときに、画面越しでも伝わる雰囲気づくりに工夫を凝らしました。うんこドリルをモチーフに、自前で被りものを作成し、親しみやすい先生役としてキャラクターになりきりました。被りものを着けて画面に映ることで、和気あいあいとした雰囲気の中、参加者の皆さんとコミュニケーションをとることができました。実施後も、参加した子のお父さん社員から被りものについて話しかけてもらい、家ではイベントの話で盛り上がったとの声をいただきました。」

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新入社員が社内向けイベントを取り組むワケとは

このイベントを企画する背景に、JRCSは経営理念に“笑顔”を掲げており、社員が笑顔になれる取り組みをしたいという有泉氏を始めとした経営陣の強い想いがあります。様々な取り組みを思案する中、子どもの笑顔は親の笑顔につながるのではと考え、仕事と育児に奮闘する社員向けのイベント企画が始動しました。また、企画・運営を社員の学びの機会にしたいと考え、新入社員研修の一部に取り入れました。企画段階では、新入社員にイベントの趣旨である「子どもの学習機会」「親である社員に子育て、家事から解放される時間を贈ってあげたい」の二つのみが伝えられ、自主性に任せ内容や実施方法はじめ自由に企画しました。結果、前述のとおり個々の特技や個性を活かした内容で実施し成功を収めました。

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積極的に「人づくり」に取り組むJRCSでは、二年前から新入社員研修の内容が大きく変わりました。以前は三カ月程度の座学を中心とした研修計画でしたが、現在は座学に加えてイベント企画のような実践的な研修を増やしています。有泉氏に新入社員研修をはじめ、人材育成計画を立てるうえで大切にしていることを伺いました。

「BtoB事業のためお客様と接する機会が限られていることもあり、社員が仕事のやりがいを感じられる機会づくりを大切にしています。研修を企画するときは、研修で学ぶことや取り組むことが人の役に立つことを実感でき、仕事に役に立つ内容かどうかを意識しています。また、研修以外でも時折振り返りの場を設け、「私たちは何のために働くのか」を伝えるよう心掛けています。今回のイベント企画・運営も、新入社員が企画や運営を通して、自分なりのやりがいを見つける機会になるよう取り入れました。人に役立つことの嬉しさやJRCSで働いていて良かったと肌で感じてもらいたいです。」

社員一人ひとりが成長できる人材育成

有泉氏は副社長に就任以降、人材育成に課題を感じ、社員とコミュニケーションをとりたいとさらに強く想うようになったそうです。そこで、経営戦略室を立ち上げ人材育成の改革に取り掛かりました。具体的には、小さな達成感を繰り返し持てるように、社員一人ひとりに合わせたオーダーメイドの人材育成計画、昇格資格試験の改訂、自立型人材の育成を目指した自己啓発支援など、取り組みは多岐にわたります。また、有泉氏が講師となりテーマに沿った話をする「オープンクラス」があります。全社員向けに毎週金曜日の昼休憩30分に会議室とオンラインのハイブリット形式で実施され、約一年以上開催し続けています。毎回30~50人程度が参加し、脳科学や古事記、世界遺産、論理ドリルと多種多様なテーマを取り入れ、社員が業務以外の事柄を学ぶ機会を設けています。
今後は、社員一人ひとりがどのように成長したいかや、学びたいこと取り組みたいことをヒアリングし、社員が自主的に取り組める機会を取り入れた人材育成を進めていきたいと話していました。

エピローグ ~キッズアカデミー第二回を開催~

社員が自主的に取り組む機会作りに奮闘している中、キッズアカデミーを企画した新入社員が第二回の実施を提案し、10月末に開催されました。今回は集合形式で開催され、前回参加した子どもたちから要望があった、語学や工場現場見学を取り入れました。実際に親が働く職場を見たり、海外出身の社員から言語を学んだりと、参加した子どもたちにとって学校とは異なる刺激や学びの機会となったそうです。キッズアカデミーを終えた子どもたちを迎えに来たご両親(社員さん)と子どもたちの笑顔がとても輝いていたのを見て、この活動をさらに広げていきたいと考えているそうです。

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※1 「うんこドリル 海の物流」??

参考リンク


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