はじめてのロボコン、はじめての指導者のための活動スケジュール

「日頃がんばっている子どもたちに成果発表の場を作りたい」、「学びを活かしてロボコンにチャレンジさせたい」といった思いからロボットコンテストに参加を申し込んだものの、初めてのことで何から手を付けて良いのか困っているという指導者(コーチ)の皆さんもいらっしゃるのではないでしょうか。身近に参加経験者が居ない場合、活動の全体像(いつ、誰が、何をしないといけないか)、実状(どんなことを意識すべきか)を知ることは難しいものです。今回の記事では、毎年3月下旬に開催される「アフレルスプリングカップ」に向けた活動スケジュールをサンプルとしてご紹介します。初参加の子どもたちが力を発揮できるよう、大会直前の六週間でひとつひとつの活動を進めていってください。

コーチ(指導者)が把握しておきたい日付

アフレルスプリングカップはチーム(選手2~3名、コーチ1名)で参加するロボットコンテストです。コーチ(指導者)が参加申込みや大会に関する諸連絡、当日までの活動サポート、大会への引率などを担います。コーチは大会の日付や会場を知っていることはもちろん、参加するコンテストに関して様々な情報を把握しておく必要があります。引率する子どもたちに加えて、保護者の皆さんや同僚に情報共有することで安心で安全な大会参加が可能となります。まずアフレルスプリングカップで押さえておきたい日付を見ていきましょう。

  • 2020/2/14(金) エントリー(参加申込み)締切
  • 2020/3/13(金) 競技に関する質問受付の締切
    回答は競技FAQに掲載されますので、ご自身が質問を出していない場合も必ずチェックしましょう。
  • 2020/3/27(金) アフレルスプリングカップ2020 大阪大会
  • 2020/3/30(月) アフレルスプリングカップ2020 東京大会

エントリーの前に「参加規約」をチェックしよう

参加規約には、大会の参加対象者、競技内容、参加資格(学校の種類やチームの構成、選手の年齢など)、参加費といった基本的な事柄が定められています。エントリーした時点で参加規約に同意したとみなされますので、忘れずにチェックしましょう。
参加規約

疑問を持ったら、WEBサイトやFAQを確認しよう

大会で実施される競技のルールが定められた競技規約は、チーム全員で必ず理解したいものです。初めての参加では、イメージを描くのが難しかったり、細かい部分で分からないことが出たりします。そういう時には、大会WEBサイトや公開されているFAQを確認しましょう。また、公式WEBにある過去大会のレポートや動画なども参考になりますが、会場や競技内容は開催年によって変わることも多いため、昨年と同じと考えないで必ず今年の情報を確認することが大切です。

公開されている情報で分からないことがあったら

大会に関して、公式WEBサイト、参加規約、競技規約、競技FAQ、大会事務局からの案内など、公開されている情報を確認しても分からないことがあれば、専用フォームから質問を送信できます。この時、意識したいのが、どの資料のどこの項目を見たか、分かっていること、分からないことを明確に書くことです。例えば、調べた内容や経緯を添えることで、知りたい情報をより確実に得られるようになります。

チーム活動のための計画を立てよう

本記事の公開時点で、アフレルスプリングカップ2020まで一ケ月強になっています。大会直前の六週間でどのように活動を進めていくと、当日を迎えるために必要な準備が整うでしょうか。ここでは、小学生のクラブ活動で、一週間に一回、2時間程度、大会まで6回の活動があると想定して見ていきましょう。

一回目:

  1. 大会の基本情報を知る
    日程(受付、開始、終了)、会場、アクセス方法、持ち物など
    コーチの方はこれらの情報を一枚にまとめておくと便利です。持ち物など、大会が近づくまで確定が難しい内容とありますが、基本情報を集めておくだけでも直前のバタバタを少なくできます。
    保護者の方や応援に来る他の子どもたちにも共有できると良い事柄です。
  2. チームで、目標、姿勢を話し合う
    1チームは選手2~3名、コーチ1名で構成されます。活動を始める前に、まずチームで集まって自分たちが何を目標として

    ロボットコンテストに参加するのか、お互いにどのような姿勢で取り組むのか、共通認識を持ちましょう。活動する際のグラウンドルールを決めるのも良いと思います。
    挨拶をしっかりする、始めと終わりの時間を守るといった、子どもたちが取り組みやすく、毎回達成できるような行動に関する項目を作るのもお薦めです。

  3. おまけ:大会指定ロボットキットに触れる
    コーチの話を聴いて、チームで話し合うだけでは、子どもたちが飽きてしまうことも予想されますので、大会指定のロボットキットに触れる時間を作りましょう。キットに付属する組立図の通りに組み立ててもらうことで、チームメンバーの子どもたちがブロックに親しんできたか、組み立てを楽しんでいるか、難しく感じるかなどが分かります。
    活動を進めていく上での重要な観察ポイントです。役割分担も想定しながら様子を見守ってください。

二回目:

  1. 競技内容を理解する(競技規約をよく読みこむ)
    ロボットコンテストの練習をしようという前に必要なのが、競技内容を十分に理解することです。コーチが規約を読んで選手に伝えるのではなく、コーチと選手が一緒に読み込んで、難しいところ、分からないところを共有することが大切です。
  2. 作りたいロボットを設計して(設計シートに描いてみる)、方針を決める

    競技規約を読んで、ルールを理解できたら、どんなロボットを作りたいか設計しましょう。この時、子どもたちに全てを任せてしまうと、ロボットの構想がどんどん大きくなり、実現困難な設計になってしまう場合があります。コーチが適宜、問いを投げかけ、ミッション(課題と考えてください)のクリアに必要となる基本的な動作のロボットを考えることがポイントとなります。
    例えば、設計シートのようなフォーマットを用意して、問いに答える形で話し合っていくのも良い方法です。

  3. 基本のロボットを動かしてみる
    前回の活動で組立てたロボットを、ごく簡単なプログラムで動かしてみましょう。前後に走行する、方向転換するといった基本の動きで十分です。ロボットが自分の作ったプログラムで実際に動く楽しさを感じてもらいましょう。

三回目:

  1. 基本のロボットで、センサーの働きを理解する
    ロボットコンテストの競技では、センサーの働きを上手に活用して課題のクリアを目指します。子どもたちに説明する際は、例えば自動ドアを挙げ、ボタンを押したら開くタイプと、手をかざしたら開くタイプがあって、それぞれがセンサーの働きと結びついているというように、身近な話をするのも良いかもしれません。
    タッチセンサー、カラーセンサー、超音波センサー、ジャイロセンサーなど、様々なセンサーが何を測定する(読み取る)かを明確に区別して伝えましょう。
    センサーを利用して、ライントレース、カラー読み取りといった動きを試してみます。
  2. ロボットを組み立て、プログラムを作る
    基本のロボットで一通りのプログラムを作成できるようになったら、いったんばらします。いよいよ自分たちが設計したロボットを組み立てましょう。

四回目:

  1. コースを用意する

    コースシートのデータはPDFで公開されていますので、一部分を再現する形でコースを作成してみましょう。ロボットが辿るラインの色、幅、長さ、オブジェクトと呼ばれるブロックで作られた運搬物の置き場所、ロボットが読み取るカラーシートなどをサイズ通りに配置することで、練習用コースを準備します。(販売されているコースシートもあります。)

  2. コース上で動かしてみる

  3. ロボットの動きを観察し、うまくいかない点を改善する
    コース上で動かし始めてから注意したいのが、プログラムの変更は一度に一カ所とすることです。うまくいかない時はあれもこれも変更してみようとなりますが、改善点を一カ所にすることで、良くなった、変わらないがよく分かります。どこを変更したら改善できたかを明らかにするためにも、できれば子どもたちに、何を改善するために、プログラムのどこをどのように変更するのか、話してもらうと良いでしょう。

五回目:

大会が近づいてきたら、競技練習の他に大会参加のシミュレーションや競技に臨む時の流れを共有するようにしましょう。

  1. 当日の朝の流れを共有する(集合時間、集合場所、服装、持ち物など)
    ロボットコンテストに参加する際、子どもたちや保護者の方は競技会そのものよりも、会場に着くまでを不安に思っていることがあります。何時にどこへ集合し、どんな持ち物を揃えて、誰と一緒に待つのかなど、事前に分かっていることで、十分に準備できることも多いです。大会が一日かかる場合はお弁当や飲み物、季節によっては上着や靴など、気になる点はたくさんあり、ここで活用できるのが一回目の活動で共有している基本情報の一枚となります。
  2. 大会のプログラムに沿ってシミュレーションする

    会場では競技の公正を期して、選手用のスペース、コーチ用のスペース、観覧者(保護者)用のスペースが全て明確に分けられています。そもそも行き来できないエリアとされていることも多いです。
    受付を済ませたら選手だけで行動できるよう、プログラムに沿って会場に居るつもりでシミュレーションすることも良い練習になります。開会式、練習時間、昼食、競技、他競技の見学、表彰式など、次々にプログラムが進みますので、シミュレーションしておくと気持ちに余裕が出ます。

六回目:

いよいよ大会は目前です。最後の活動では、十分に競技対策をする他、一回目の活動で話し合ったチームの目標や姿勢をもう一度確認しましょう。

  1. 競技の流れをシミュレーション(できればロールプレイング)
    競技で使うロボットを持って歩き、列に並ぶ、コースの脇に立って待機する、呼ばれたら返事をする、コース上にロボットを置く、審判の合図でスタートさせる、審判の指示を聞いてロボットを回収するなど、様々な場面を想定し、コーチが随時、審判役や大会スタッフ役などを担当してロールプレイングします。
  2. チームの目標、姿勢を改めて思い出す
    一回目の活動の際、チームで考えた目標や姿勢を改めて選手とコーチで共有しましょう。大会参加を納得した形で終えられるように、子どもたちと気持ちを作る時間を取りたいですね。

出発してから帰宅するまでがロボットコンテスト

幼い頃、自宅に着くまでが遠足と言われたことのある方、多いのではないでしょうか。コーチの皆さんはよくご存知のことと思いますが、ロボットコンテストのような大会も同じで、朝、参加チームの子どもたちが自宅を出発し、大会に参加し、帰り着くまでを大会参加として考えてください。つまり、会場で競技や発表に臨む時間に加えて、コーチが知っておくべき、確認したい事柄は多数あります。

  • 大会事務局の連絡先、当日の緊急連絡先(電話番号)
  • 保護者の方、子どもたちとの連絡方法(電話か、メールか、オンラインメッセージサービスかなど)
  • 子どもたちの自宅の最寄り駅から会場までのアクセス
    (できれば経路検索などで複数のルートを確認しておくと安心です)
    (遠方から宿泊ありで参加するチームは、宿泊ホテルの連絡先情報なども必須)
  • 会場の最寄り駅からのアクセス(ぜひ地図を印刷しておきましょう)
  • 会場内のレイアウト(休憩場所やお手洗いが選手用スペースから近いか、知っておきたいですね)
  • 大会終了後の集合場所、解散について(最寄り駅まで全員で移動するのか、保護者の方に引き渡してご挨拶かなど)

チームで一緒に準備を重ねていくことで、子どもたちもコーチ(指導者)も保護者の方も、チャレンジして良かったと感じられるロボコン参加にしましょう。

参考リンク

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