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女の子が夢中になれるプログラミング、「占い」をテーマに体験会を開催

2022年6月1日~6月30日の1か月間、株式会社アフレル(以下、アフレル)とGMOメディア株式会社が運営するプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」(以下、コエテコ)共催で、「KIKKAKE 2022(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~(以下、KIKKAKE)」が開催されました。

現在、プログラミングスクールへ体験を申し込む子どもは男の子が81.8%、女の子が18.2%となっており(「コエテコ総研 byGMO」調べ、コエテコ byGMO https://coeteco.jp/)、子ども向けプログラミングスクールにおける男女の差が大きい背景を受け解決すべく実施したイベントとなります。

今回は、男女差の要因の一つとして考えられる、体験会で扱うコンテンツや課題設定の偏りを打破するため、「占い」というテーマで体験会を実施したプログラミング教室「ProgrameiQ」の横山さんにお話を伺いました。

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横山 咲穂 さん
ProgrameiQ教室長 兼 株式会社IoTメイカーズ チーフマネージャー
大阪音楽大学短期大学部卒業。在学時に教員免許を取得。中学生の頃から約10年間音楽活動を続けた後、プログラマーとして都内のWEB制作会社にて勤務。その後、子どもたちの未来を拓く手助けをしたいと考え、現在ProgrameiQ教室長兼講師として活動中。

「占い」をテーマとした女の子向けのプログラミング体験会について

Q.KIKKAKEの体験会で「占い」をテーマにしたのはなぜですか?

横山さん
元々自分自身が占いや心理テストが好きだったので、同じ好みの女の子もいるんじゃないかと思い、実体験からテーマを設定しました。普段の活動でも私が体験会の企画することが多いのですが、小さいころから本を読んだり想像したりすることが好きだったので、0から1のアイディアを沢山出してその中から決めました。

Q.参加した女の子はどんな方が多かったですか?

横山さん
低学年でも参加できるような体験会を用意していましたが、実際は小学生全学年の女の子がまんべんなく参加していました。また、今回は対面とオンライン実施の2パターン用意して、SNSやイベント集約サイト、メールマガジンなどで告知していたのですが、オンライン実施の体験会はプログラミング初心者の女の子の参加が多かったです。

女の子にも「プログラミングって楽しい!」と思ってもらいたい

Q.女の子にどんなプログラミング体験をしてほしいですか?

横山さん
教室を運営していて体験会に来てくださるのは学年問わず男の子が多いと感じます。女の子にもプログラミングって楽しい!もっと学びたい!と思ってもらえる機会を提供したいです。

Q.女の子向けの体験会を実施する上で工夫していることはありますか?

横山さん
初めて体験会に参加する女の子はタブレットに恐る恐る触れます。女の子になぜか問いかけてみると「間違えたらどうしよう」と思っていたようでした。なので、体験会では手が止まっている女の子には「何回失敗しても大丈夫だよ。まずは沢山触ってみよう」と積極的に声をかけています。また、それぞれの習熟度合いに合わせて大小様々なヒントを出したりしています。まずは成功体験を多くもち自信につなげてもらいたいです。

また声掛けで心がけている事として、「とにかく褒める」と言う事があります。「○○だから凄いね」「早いね」「ちゃんと動いたね」と細かく具体的に褒めるようにしています。そういった行動を続けていくと、こちらから声をかける前に女の子が自分から作ったものを見せに来てくれるようになるので嬉しいですね。

オンライン実施だから参加できた

Q.今回オンラインと対面どちらも実施されていましたが違いはありましたか?

横山さん
オンライン実施は全国どこにいても受けられる事が重要でした。お住まいのある地域によっては近くにプログラミング教室がない場合もあり、オンラインだから参加できたという親御さんも多くいらっしゃいました。ただ、オンラインは参加者の手元が見えないという特徴もあり、きちんと学べるように、講師は同じことを繰り返したりゆっくり話したりなど、オンラインならではの工夫もあります。

参加者の状況に応じてツールを選定

体験会では学年に応じて使用するプログラミングツールを「Springin’」と「Viscuit」に分けていたそうです。

横山さん「両ツール、お絵描きをするという点は共通していますが、難しさや出来ることの柔軟性に違いがあります。論理的に考えるのが得意な子や高学年の女の子にはSpringin’、低学年の女の子にはViscuitを使用して体験会を実施しました。」

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(図:教室で使用している「Springin’」の画面)

最初は緊張していた参加者も、最後は笑顔で動かしていたそうです。また、最後に時間を余らせる設計にし自由につくる時間をもつことで、参加者は好きなことを没頭して取り組んでいたといいます。

お子さんより大きい保護者の反応!?

さらに、体験会に参加した保護者の反応についてもお伺いしました。

横山さん「体験会に参加される保護者の方は、プログラミングに興味がある方がほとんどで、ご自身のお子さんに取りあえず触らせてみたいという気軽な気持ちで参加される方が多いです。さらに、お子さんが作成したプログラムを動かすとき、横にいる保護者の方の反応の方が大きかったことが印象的でした。」

横山さんは、体験会のレイアウトを保護者の方がお子さんの様子を横で見られるように工夫して設計したそうです。

プログラミング習得は女の子の方が早い!

普段、教室に教材を10種類ほど用意し、色々試しながら生徒の好みや得意なツールを見つけて貰っているそうです。女の子という観点でも、実は女の子の方がプログラミングののみ込みが早く性差がないように感じると横山さんは話します。

Q.女の子がプログラミング教室に通いづらい理由は何があると思いますか?

横山さん
体験できるコンテンツによって、興味をもつ/もたないが分かれると感じます。今回「占い」というテーマで開催しましたが、多くの女の子が興味を持ってくれました。女の子が今好きな事とプログラミングを組み合わせたコンテンツで、女の子の好きな事の中に「プログラミング」が入るようになるといいなと思います。

さいごに:保護者が驚く、プログラミング教室に通う子どもたちの変化

横山さんは「保護者の方々にはプログラミングについて「難しそう」というイメージをお持ちの方も多いようです。しかし私の教室では、タブレットで絵を描いて動かして楽しむ「Springin’」を含め10種類以上のツールやカリキュラムを用意することで、子どもたちがそれぞれ一番没頭出来て楽しく学べるコンテンツを選択できるようにしています。」と話します。

そういった環境の中で活動するうちに子どもたちにある変化が起こったと言います。

横山さん
「子どもたちは「論理的思考力」と「説明する力」が身についてきました。プログラミングを通して、思った通りの動きをさせるためにコンピュータにどういう指示をどんな順番ですればいいか考えるようになります。また教室では、作ったモノの工夫したポイントを書いて説明する時間があり、他者が理解できるように説明する力(語彙量や論理的な説明)も身につきます。」

実際に、ある生徒の保護者がお迎えに来た際に、今日作ったモノを親に説明する場面があったそうです。その際、保護者の方が子どもの語彙量や論理的な説明力に驚かれていたと言います。

横山さんは最後に、「論的な思考力や説明する力を持つことで、自分自身で人生を切り開いていってほしい」と話しました。


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