【先進事例】 特別支援学級「国語科」の授業におけるロボット教材活用、福岡教育大学附属福岡小学校

2018年2月17日(土)、福岡教育大学附属福岡小学校(福岡県福岡市)において平成29年度 教育研究発表会「未来社会を創造する主体としての子供を育成する教育課程の編成」が開催されました。本記事では、この発表会の中で実施された「学びのデザイン(公開授業)2」で、特別支援学級の子どもたちが取り組んだ国語の授業「よんで つくって あそぼう」を紹介します。

福岡教育大学附属福岡小学校 平成29年度 教育研究発表会

福岡教育大学附属福岡小学校は、平成27年度から文部科学省研究開発学校の指定を受け、新しい教育課程や指導方法などについて研究開発に取り組まれています。3年目にあたる平成29年度の成果を発表する場として、多数の教育関係者2月17日(土)に教育研究発表会が実施されました。

公開授業の実施内容

  • 平成29年度 教育研究発表会
    「未来社会を創造する主体としての子供を育成する教育課程の編成」内
    学びのデザイン(公開授業)2
  • 開催日程:平成30年2月17日(土) 9:45~10:30(45分間)
  • 授業名称:特別支援 国語科「よんで つくって あそぼう」
  • 担当教諭:辻本拓 教諭
  • ゲストティーチャー:株式会社アフレル 森口嵩之
  • 授業見学者:およそ50名

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授業の目標

公開授業を担当された辻本拓教諭による指導案には、次の三点が授業の目標として掲げられています。

  • 説明書を読んで,ロボットを動かして遊びたいという意欲をもつことができる。
  • ロボットを動かすために,「○○の横に□□を並べる。」や「○○をします。そのために,△△します。」などの文を説明書から読み取ることができる。
  • 説明書の文の意味を理解することができる。

公開授業を終えて、先生方へのインタビュー

教育研究発表会の後、子どもたちの様子や今後の展開に関して先生方にお話を伺うことができました。特別支援学級の担任である辻本教諭には授業や子どもたちについて、豊嶌校長には教育研究発表会全体や学校として目指すことをお聞きしました。(Q:アフレル社員からの問い、A:先生からのコメント)

辻本拓教諭のお話

Q:平時と比べて、児童の反応はいかがでしたか?
A:本物のロボットを動かすことで、今までの学習よりも意欲的に取り組むことができていました。また、次の学習を楽しみにしているという発言が多くありました。
Q:なぜ国語科の授業でこういった教材を取り入れることにしたのでしょうか?
A:子どもたちが「読みたい」という意欲をもつことができると考えました。そこで、説明書を正しく読んでプログラミングをすることで、ロボットが意図した動きをする本教材を取り入れようと考えました。
Q:授業を実施してみて、他の学習での活用にも可能性を感じましたか?
A:今回は国語科で実践をさせていただきましたが、他教科等での活用も可能であると考えています。
Q:今後も使い続けたいでしょうか。
A:子どもたちが楽しみにしている学習の一つになっています。そのため、教科での内容の高まりを十分に考えた上で、是非使い続けたいと考えています。

豊嶌啓司校長のお話

Q:学校として掲げている児童の成長目標はどのようなことでしょうか?
A:学校の教育目標は「未来社会を創造する主体としての子供の育成」を目指しています。
Q:子どもたちのどんな力を育て、伸ばしていくことを目指していますか。
A:どのような未来が訪れようとも、自らの手でよりよい社会、自分らしい生き方をつくり出すことができる未来創造型の資質・能力を育てることを目指しています。
Q:今回の教育研究発表会では、特別支援学級の他、6年2組の領域「かがく」でもロボットやプログラミングへの取り組みがありました。従来の教科ではなく領域として取り組むことで、どのような学びにつながると考えていますか。
A:教科における学習課題は教師が予め用意していた学習の道筋の範囲内ですが、領域は扱う対象の範囲が広いため、解決における課題も多様なものになります。そのため、子供自身が「何ができるようになるか」「何のために学ぶか」に対する応えを見いだしていくことができると考えます。
Q:授業者が選択する教材に対して、どういった点を求めていますか。
A:既存のソフトウェアから子供の実態に応じて内容等を変更することができれば、様々な子どもの実態に合った教材になり得ると考えます。

見学された先生方のお話

公開授業を見学された先生方にもお話を伺うことができました。不特定の先生方にお聞きした内容を文章にまとめています。

Q:国語科の教材としてどのような点が有効でしょうか?
A:読み取った言葉が実際に形となって動く点が良いです。使い切りではなく、繰り返して使えることや、他のクラス・別の教科でも使うことができる点が良いと考えます。
Q:ロボットは児童の意欲につながる素材と考えられるでしょうか?
A:生き生きと学んでいる児童の姿を見られましたので、意欲につながると考えます。特別支援学級の児童は、不得意な分野がある一方で、別の分野はとても得意といったことがあります。そうした得意な分野が現れるのではないでしょうか。

ゲストティーチャーの感想

教育研究発表会にゲストティーチャーとして参加した株式会社アフレルの森口嵩之は、次のような感想を寄せています。

今回の公開授業では、事前に子どもたちと顔を合わせ触れ合う機会を作っていただいたことから、子どもたちとのやり取りをスムーズに進めることができました。終了後、個別にご質問をいただいた方々もいらっしゃいましたので、見学されていた先生方の関心の高さを実感しました。
特別支援学級では、少人数の子どもたちに対して丁寧な学習サポートが必要となります。国語科の授業ということで、説明文をしっかり読み理解できるという授業の目標に留意しながら、課題に取り組む子どもたちの支援に努めました。課題ができた子どもから先生を呼んで確認を受ける形だったため、児童らの進度には差が出ましたが、一人ひとりの進度に応じて柔軟に取り組んでもらえる教材でした。
授業全体を通して、子どもたちの笑顔が多く、自分でやってみたいという意欲にあふれた時間となったことが何よりの喜びでした。

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使用教材 レゴ® WeDo2.0

ブロックを組み立て、専用ソフトウェアでプログラミングし動かすことで、子どもたちが手を使って自分のロボットを作り、楽しみながらものづくりやプログラミングを学ぶことのできる教材です。モーターやセンサーを活用することで、様々な動きを実現できます。
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参考リンク

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