新たなビジネス創造へ、第一生命情報システムがStudioXedgeで目指す人財育成

新たなビジネス創造へ、第一生命情報システムがStudioXedgeで目指す人財育成

従来、システムインテグレーター(以降SI企業)では、顧客の要件を聞いてシステムを設計・開発し、運用・保守までを一貫して担う受託型のビジネスが中心でした。企業形態やグループ構成によっては、受託型ビジネスが売上のほとんどを占めるSI企業も多いようです。しかし、外部環境の変化やテクノロジーの発展とともに、SI企業自ら新たなサービスを創出し、顧客や社会へ提案する創発型ビジネスが生まれてきました。
第一生命情報システム株式会社(以降、第一生命情報システム)もテクノロジーを積極的に活用した新たなビジネスモデルを創出できる人財育成を目指して、様々な取り組みをしています。今回は、同社の取締役常務執行役員 経営企画部長 神田康弘氏へのインタビューと新たに作られた組織「StudioXedge」の運営者である原島賢一氏、河田佳代子氏への取材や拠点見学を通して、第一生命情報システムの人財育成に向けた取り組みをお届けします。

第一生命情報システムが目指すDX時代における人財育成

第一生命情報システムは、第一生命グループの生命保険ビジネスにおけるシステム全般を支え、業務の約9割が第一生命からの受託開発です。そのため、安定性や正確性を重視したホストシステムを中心とする基幹システムの開発や運用・保守が大半を占め、仕様書をもとに仕組みやルール作りに邁進するプロフェッショナル社員が多数在籍します。同社ではこのようなハイレベル人財を「モード1」と位置づけ、グループ全体へ提供し続けています。しかし、生命保険事業を取り巻く外部環境の変化やテクノロジーの急速な進展を踏まえ、DX時代における攻めのITが必要と考え、「モード2」人財の発掘・育成に乗り出しました。神田氏に理想の「モード2」人財育成について伺うと、「正確さや受け身ではなく、速さや提案する力を身に付けてほしいと考えています。まずは、手を動かしてやってみようというマインドを持ってほしいです。」と話されました。机上の学習だけでなく、試行錯誤しながら自ら何かを創出できるような人財発掘を目指し、業務では触れる機会のない技術や話題でも、制限を設けず興味のあることから着手できる機会の必要性を強く感じたそうです。
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イノベーションマインドを持った社員が育つ「StudioXedge」

第一生命情報システムの新宿事業所を訪れると、色とりどりの装飾や大小様々な家具や機器が置かれた活気あふれる空間がありました。ここは、イノベーションマインド溢れる人財を育成する組織「StudioXedge」(スタジオクロスエッジ)の活動拠点です。2019年4月からスタートし、第一生命情報システムの社員へ学びの機会を提供してきました。
StudioXedge発起人の一人である原島氏は、第一生命が取り組む「Dai-ichi Life Innovation Lab」(以下、Lab)の活動に、第一生命情報システムとして参加しました。新規ビジネス創造に向けITのプロフェッショナルという立場で参加しましたが、ここでの経験から自社でもっとビジネス思考やイノベーションマインドを学ぶ機会を設ける必要性を感じたそうです。

StudioXedge.New.W-DLS_resize.pngそこで、Labで活躍できるモード2人財の発掘を目的にStudioXedgeを立ち上げ、人財育成の道筋をつけました。第一段階は人財の発掘、第二段階は人財の発掘と伸長、ゆくゆくはLabへ参加できる人財育成を目標にしています。StudioXedgeは、社員がルールや環境に縛られず、好きなことに取り組める平等な環境を目指し、短期間のセミナーや長期間のチーム活動といった教育機会を提供しています。短期間のセミナーでは、ベテラン社員向けPythonセミナーやデータ分析プロセス実践研修※、二日間のハッカソンなどバラエティ豊かな内容を展開し、より多くの社員が興味関心のあることを学ぶことができます。

総勢100名以上が興味あるテーマでサービス開発!

長期間のチーム活動は、若手からベテランまで全社員を対象とします。参加希望者は立候補し、UXやデータ解析など16テーマの中から興味のあるテーマを一つ選択してチームを組みます。通常業務との繋がりは気にせず好きなテーマを選択でき、自由度の高い環境でサービス開発に取り組めるため、参加者は主体的かつ積極的に活動しています。期間は3か月で、中間発表と最終発表に向けて、週1回のペースでチームごとに活動するとのことです。2020年2月で3期目を終え、総勢106名の社員が参加しました。活動を重ねる中で、参加者からはもっと開発に費やす時間がほしいという声が上がり、3期目は期間を3か月から5か月へ延ばして、より社員が開発に取り組みやすい環境を整備したそうです。さらに、月のうち0.2人月はStudioXedgeへの活動に時間を割けるように取り決め、業務時間の確保も工夫しています。

マネジメント層も巻き込み、全社で取り組む人財育成

より多くの社員が長期にわたって活動していく上で、欠かせないことの一つとして社内理解があります。StudioXedgeでは、部長やグループ長などマネジメント層を対象に活動内容の共有やワークショップを実施しています。ワークショップでは、目指す会社の姿をディスカッションすることで、マネジメント層にモード2人財育成の目的や理解を深めてもらいました。StudioXedgeについての啓蒙活動を並行して進めることで、会社全体の士気が上がっているそうです。部署によっては、マネジメントの働きかけで、参加した社員が所属部署全体に向けて活動内容を報告したり、社員に短期間のセミナー参加を促したりと、組織全体で人財育成に向けた取り組みが活発化しています。

人を、会社を、そしてビジネスをつなげる組織へ

もともと部署異動が少なく人財交流は限られていたそうですが、StudioXedgeで新たな仲間と出会い、部署を超えたコミュニケーションも多く生まれています。また、参加者が扱うテーマや成果発表を通して、社員の見えていなかった強みを上司やチームメンバーに知ってもらう機会となり、新たな人財発掘につながっています。
これらは参加者だけではなく、運営側でも起きています。運営メンバーの河田氏は、StudioXedgeに約1年携わり、ワークショップ企画やグループ活動の促進など多岐にわたって活動されています。そこでの活動を振り返っていただくと、「運営を通して、社員一人一人が考えすぎずにもっと自由に好きなことに取り組んでもらえる環境や雰囲気づくりの難しさも感じています。一方で、普段の業務では接することのない部署をはじめ、沢山の社員と知り合いになりました」と笑顔で話してくれました。

原島氏はこれからのStudioXedgeについて以下のように熱い想いを話してくれました。
「StudioXedgeの活動を通して、社員全員が自分自身の価値を再発見し、これが得意、あんなことに挑戦してみたい、など各々の強みを発揮できる会社にしていきたいです。そのためにも、モード2人財を発掘していく活動に加えて、それらを伸長することにも注力し、モード2人財の底上げ部隊として今後も邁進したいと思っています。ゆくゆくは、第一生命グループ唯一のIT企業として、グループ全体に影響を与えられるように、さらには、StudioXedgeが独自でサービスを生み出せるような存在となっていければ嬉しいです。」

イノベーティブな取り組みが求められる時代に、安定して高品質な開発をし続けるプロフェッショナル達が、ITスキルに加えて社員一人ひとりの価値や強みを最大限発揮し成長していけるよう、今後もStudioXedgeの活動は続いていきます。

参考リンク

※データ分析プロセス実践研修 
データ分析の工程(CRISP-DM)に沿った演習を通して、より効果的にデータを活用するための方法論や手法などデータ分析の基礎を1日で学習します。大量のデータを業務改善に活用したい方やデータ分析の手順やデータの扱い方を学びたい方を対象とした初心者向けの研修です。ロボットを活用したデータ収集、Jupyter Notebookを用いたデータ解析やCRISP-DMに従った動作改善を実施します。

関連リンク

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